鴻池朋子 「素焼粘土」への書き下ろし詩 2021年10月    鴻池朋子の特設ページに戻る

詩・いしいしんじ 「どうぶつのどうは どうしのどう」
鴻池朋子, こうのいけともこ, いしいしんじ, Tomoko Konoike うねり まがる
ひねり のたくる
つづらおれ
からみあい
よせあい
もたげ しおれ のべ
やぶれ こぼれ
ひびわれ
たばね
つくばい
ゆれる
鴻池朋子, こうのいけともこ, いしいしんじ, Tomoko Konoike なみうつ
はう あゆむ よる
ふれる ひく すぼまる
くびれ なびき
ふくらみ しおれ
ちぢみ ひらく
はばたき
ひらめく
ちぎれ あわさり
まるみ よどみ
ころがる とどまる
鴻池朋子, こうのいけともこ, いしいしんじ, Tomoko Konoike ふかまり うかび
ひろまり はみでる
たゆたう
ひびく
とけあう
ねじれ のび みゃくうつ
もたげ おろし
よこたわり
にじみ さえ かがやき
あわだつ
あらわれる
いろづき
ゆれ
およぐ
鴻池朋子, こうのいけともこ, いしいしんじ, Tomoko Konoike ひろがる
いきづく
つながり
はいる
でる
ふくれ みちる
とぶ おさえる
あつまる
うごめく
あそぶ はねる
はく
ぬける
にじり
鴻池朋子, こうのいけともこ, いしいしんじ, Tomoko Konoike ずれ いざり
ちぎれ だまり
さぐり もぐり
さすり こすり
たたずむ
かさなる
とける
ふきぬける
みる
みえなくなる



いしいしんじ(Shinji Ishii)は、1966年大阪生まれ。小説家。現在京都市在住。1994年『アムステルダムの犬』でデビュー。2000年に初の長編小説『ぶらんこ乗り』。2003年『麦ふみクーツェ』で坪田譲治文学賞。2004年『プラネタリウムのふたご』、2006年『ポーの話』、2007年『みずうみ』、2009年『四とそれ以上の国』、2012年『ある一日』、2016年『悪声』が、それぞれ三島賞候補に挙がり、『ある一日』は織田作之助賞大賞、『悪声』は河合隼雄物語賞を受賞。『義経千本桜』(「池澤夏樹=個人編集・日本文学全集」所載)、『源氏物語』(2017年京都新聞連載)の現代語訳も。エッセイ、講演、ラジオ番組、蓄音機ライブなどでも活躍。『麦ふみクーツェ』『プラネタリウムのふたご』はウォーリー木下による舞台化もされた。ギャルリー宮脇では過去に6回の「その場小説」を行なっている。→いしいしんじatギャルリー宮脇

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