過去の展覧会 2010.5〜 Past Exhibitions
最近の企画展から順番に表示しています。

2016年上半期のギャルリー宮脇企画展(2月〜7月のプログラム)をニューヨーク拠点の美術批評家
エドワード・ゴメズ氏(Edward M. Gomez)が連続レビューしました。 →6つの英文記事ページを見る


晩秋の特別企画展
ギャルリー宮脇の1F・2Fで二人の異能の創作者の個展を同時に開催

山下壮個展宮川隆個展
2024年1115日|金 〜121日|日
午後1時〜6時 月休

山下壮在廊日:11/16, 17, 24, 30, 12/1 いずれも午後2時頃から夕刻まで

山下壮,宮川隆,ギャルリー宮脇,galeriemiyawaki 山下壮,宮川隆,ギャルリー宮脇,galeriemiyawaki
案内カード画像を各々クリックすると拡大します。

複雑な形態にひたすら色鉛筆を塗り込め、小さな作品の中に無限の宇宙と生命の神秘を繰り広げる山下壮(1953〜)。 時空を超えた彼方からの声を、自動筆記により誰もが読もうとするような文字状の不思議な線で綴る宮川隆(1955〜)。これらのイメージは一体どこからやってくるのか!?

山下壮宮川隆、抑えようのない強い衝動に駆られ、ひたすら自分だけのための創造を続けてきた2名の作家の個展を同時に開催致します。これら作品の完璧な美しさは、驚くべき描画技術に裏打ちされていますが、イメージは創造エネルギーが流露するがままに顕現したかのような凄みに満ちています。山下壮宮川隆の作品は、卓越した造形技巧のためにそうとは捉え難いところもありますが、シュルレアリスムの源泉ともいえるオートマティスム、あるいは人間の野性を汲み取るアール・ブリュットに深く通じている類稀なる作品です。是非ご高覧ください。
ギャルリー宮脇の物故作家展

中尾 誠 油絵展
「“皮膚に” へ・・・」
2024年1019日|土 〜113日|日

午後1時〜6時 月休

★ 10月26日・土曜 午後4時〜 ギャラリートーク:仲野泰生(京都場館長、元川崎市岡本太郎美術館学芸員)

中尾誠,ギャルリー宮脇, galeriemiyawaki 中尾誠,ギャルリー宮脇, galeriemiyawaki
左案内カード図版「皮膚に」2011年 72.7x91cm、右は「皮膚に」2009年 91x91cm、各画像を各々クリックすると拡大します。


中尾誠の作品は、あるときから図像と地が曖昧になっていき、やがて「皮膚に」と題されたストロークによるほとんどオールオーヴァーな絵画に行きついた。そのとき絵は塗り重ねられて積層するだけではない。表層は地肌を掻き起こすようにして描画の道程を撹乱する。こうした中尾の絵は、その創造の初源にあった形象を埋蔵し、複層する物質と時間の深遠なパリンプセストとなって視覚を超えた感覚をもたらしてくれる。

1937年東京世田谷生まれ。幼少期から福岡県久留米で育ち、東京芸術大学入学。68年に山口薫教室修了。72年から横浜国大で後進の指導にあたり03年退官。19年逝去。19年「隔たりの消息 中尾誠作品集」刊行(美術出版社)。21年神奈川県立近代美術館に7点が収蔵され、翌年同館コレクション展「手跡をたどる特集:中尾誠」が催される。23年作品集「隔たりの消息II 中尾誠作品集2」刊行(学術研究出版)。

Mathias BENSIMON
Un artiste qui voyage dans la lumiere

光の旅人
マティアス・ベンシモン日本初個展
2024年830日|金 〜915日|日

午後1時〜6時 月休

★ 作家来日記念イベント/ペインティングと音楽のライブパフォーマンス
絵:マティアス・ベンシモン、音楽 :AzurVert(ヴァイオリン南野梓、ギター谷村武彦)
8/30(金)午後5時〜(要予約、参加費2,000円、作家歓迎レセプションあり)
8/31(土)午後3時〜(観覧自由)
上記イベントは台風10号の影響のため開催日が変更となりました。
代替に 9/1(日)午後3時〜 行います。(観覧自由)
台風の進捗、交通機関運休などに事情により、中止になる可能性もございます。
最新情報をホームページまたはインスタグラムでご確認ください。



mathiasbensimon, マティアス・ベンシモン,ギャルリー宮脇, galeriemiyawaki mathiasbensimon, マティアス・ベンシモン,ギャルリー宮脇, galeriemiyawaki
チラシ画像を各々クリックすると拡大します。

2019年秋にパリのボザールを卒業した新進気鋭マティアス・ベンシモン/(Mathias Bensimon 1996〜)の日本初個展。創作を通して人間と光の関係や、現実、存在、知覚の概念を探求している。芸術の源泉となる聖なるものへの関心を高め、瞑想的な意識状態の実践にも興味を持つ。そして旅を通じて世界の様々な地域文化と出合い、その地で芸術的関係を築いたダンサー、シンガー、ミュージシャンらとの共同パフォーマンスを行なっている。美大で伝統的なフレスコ画を学んだ彼は、建築のための大作壁画の委嘱制作を創ったりする一方で、現代美術の師アン・ヴェロニカ・ヤンセンのアシスタントとして最先端科学と芸術を結びつけるプロジェクトにも参加している。40点展示。作者来日。
愛知県碧南市で開催!作家初の公立館主催個展

「深怪魚、碧海を泳ぐ」
西村一成絵画展
Selected Paintings 2014-2024

会場・碧南市哲学たいけん村 無我苑 瞑想回廊
会期・2024年83日|土 〜929日|日
中日新聞文化面2024年9月6日記事

西村一成, isseinishimra, ギャルリー宮脇, galeriemiyawaki      西村一成, isseinishimra, ギャルリー宮脇, galeriemiyawaki
     ↑ 画像をクリックすると案内チラシが別ウィンドウに拡大表示されます。

西村一成特集ページ

リ・ウファン版画を中心に
S氏コレクション展 II
2024年712日|金 〜728日|日
午後1時〜6時 月休

特集パンフレット『螺旋階段』第117号発行を見る
開廊50周年改修リニューアルオープン記念寄稿:建築家 遠藤秀平「寺町通りに屹立する建築」

 本展は昨年12月に開催した「S氏コレクション展」の第二弾。今回はS氏のコレクションの主軸を成すリ・ウファン李禹煥Lee Ufan)の版画を中心に、前回画廊スペースの都合で出品できなかった作品(作家は重複するものがある)から合計三十余点を展示。およそ半数を占めるリ・ウファンの版画を筆頭に、現代版画の代表的な作家作品から、日・欧・米のアウトサイダー・アート/アール・ブリュットの著名な作家作品まで、幅の広い視界から自身が本当に好む作品だけを射抜く、S氏独自の鋭い審美眼による個人コレクションを紹介する展覧会。

リ・ウファン, 李禹煥, leeufan, ギャルリー宮脇, galeriemiyawaki 山下壮, ギャルリー宮脇, galeriemiyawaki アルトゥング, hanshartung, ギャルリー宮脇, galeriemiyawaki
↑ 画像左からリ・ウファン(リトグラフ)、山下壮(色鉛筆画)、アンス・アルトゥング(リトグラフ)

本展出品作家
アンス・アルトゥング安藤真司小幡正雄加納光於柄澤齊木村秀樹黒須信雄齊藤彩アンナ・ゼマーンコヴァー塔本シスコ中屋敷智生西脇直毅浜田知明ユージン・ヴォン・ブルチェンハインムン・スングン山下壮リ・ウファン.....以上、S氏コレクションの一部として17作家の合計三十余点展示

初夏の特別企画展
もとつわたらせ
母止津和太良世

黒須 信雄
Nobuo Kurosu
2024年614日|金 〜630日|日
午後1時〜6時 月休

6月14日|金 、15日|土 作家在廊
個展リーフレットを見る(作者によるテクスト掲載)

西脇直毅, naokinishiwaki, ギャルリー宮脇, galeriemiyawaki 西脇直毅, naokinishiwaki, ギャルリー宮脇, galeriemiyawaki 西脇直毅, naokinishiwaki, ギャルリー宮脇, galeriemiyawaki
↑ 画像をクリックすると別ウィンドウに拡大表示されます。

2014-15年度美術館巡回展「スサノヲの到来―いのち、いかり、いのり」2022-23年度美術館巡回展「顕神の夢―幻視の表現者―村山槐多、関根正二から現代まで」にも出品した抽象絵画の重要作家・黒須信雄。「物質を通して〈見える〉ものでしかないにもかかわらず、非物質としてしか“顕現”しない絵画は〈見る〉を意志することのみによって成立する」という観念を一貫して追究し続けている。虚実対峙の無限反復により「何処でもない場所で何物でもないものが萌芽」した、果てしない“根源形象”で満たされた絵画が生起する。当画廊で二年半ぶり4回目の黒須信雄新作展!100号2点含む新作絵画と若干数のオブジェ39点発表。

第4回個展
「ネコの海」
西脇 直毅 新作展
Sea of Cats, works by Naoki Nishiwaki

2024年510日|金 〜526日|日
午後1時〜6時 月休

特集パンフレット『螺旋階段』第116号を見る
特別寄稿『ネコの海をめぐって』吉岡洋(美学者 京都芸術大学文明哲学研究所教授)掲載

西脇直毅, naokinishiwaki, ギャルリー宮脇, galeriemiyawaki 西脇直毅, naokinishiwaki, ギャルリー宮脇, galeriemiyawaki 西脇直毅, naokinishiwaki, ギャルリー宮脇, galeriemiyawaki
↑ 画像クリックで別ウィンドウに拡大表示。左・「意識された呼吸」 中・作品のディテイルの一例 右「刺青の女」シリーズ

西脇直毅の作品は、ボールペンを用いて何千何万という「ネコ」の形態を一つ一つ反復増殖させ、とてつもないエネルギーを持つ画面を生み出している。その凄まじい描画=猫画の密度は、まさに「驚異の」と呼ぶにふさわしい。数歩離れて見れば、ネコ文様は天の川の星々のように朦朧と消え入るのである。新作では画中に木や魚や蛇といったモチーフや山水画の模写が登場することで、水と気が流動する「ネコの海」から生命が誕生し、大地が出現するような、壮大で神秘的な絵画世界を創出している。ロールケント紙に描いた4m40cmの長大作品「意識された呼吸」や、液晶ペンによる描画を写真出力した最新作「刺青の女」シリーズも発表。3年ぶり4度目の個展、30余点出品。
 西脇直毅前回2021年の個展『意気猫々』紹介ページ(作者からのメッセージあり)

第11回個展
「自由の洞窟」
西村一成新作展
paintings 2022-23-24 by Issei Nishimura

2024年45日|金 〜421日|日
午後1時〜6時 月休

西村一成, isseinishimra, ギャルリー宮脇, galeriemiyawaki 西村一成, isseinishimra, ギャルリー宮脇, galeriemiyawaki 西村一成, isseinishimra, ギャルリー宮脇, galeriemiyawaki
↑ 画像をクリックすると案内チラシが別ウィンドウに拡大表示されます。

昨年3月に西村一成の単独ドキュメンタリー「ETV特集 人知れず表現し続ける者たち IV」が放映され、「アートとは何か」「人が生きるとは何か」という深遠な問題を視聴者に投げかけた。放映後の反響にも動じず、西村一成は自らの創作ペースを変えることなく、絶え間なく押し寄せてくるリアクション=クリエイションの波動を全身全霊で受け止め、今日も彼の秘密のアトリエ=自由の洞窟に籠り、ひたすら描き続けている。感情→行為→物質のオブジェと化した西村一成の絵画は「生(き)のままの芸術」の衝撃だ。ギャルリー宮脇での2年ぶり11回目の個展。2022〜23年に制作された新作ペインティング36点発表。

当画廊の西村一成展覧会歴

2024年早春の企画展

Dean Bowen
オーストラリアの人気アーティスト
ディーン・ボーエン展

2024年223日|金 〜317日|日

午後1時〜6時 月休

→★ 展示作品50点をウェブギャラリーで閲覧いただけます。

ディーン・ボーエン, deanbowen, ギャルリー宮脇, galeriemiyawaki ディーン・ボーエン, deanbowen, ギャルリー宮脇, galeriemiyawaki ディーン・ボーエン, deanbowen, ギャルリー宮脇, galeriemiyawaki
↑ 画像をクリックすると案内チラシが別ウィンドウに拡大表示されます。

オーストラリアのメルボルンを拠点にめざましい活躍をする人気アーティスト、ディーン・ボーエン(Dean Bowen 1957年生まれ)。その作品には、都市の交通渋滞の向こうに見える地平線をハリモグラが行進するような、現代文明とプリミティブが邂逅する可笑しみがある。また、鳥がさえずり、犬がうろつき、荒野の夜空をサーッと星が流れ落ちてゆく、まるで絵本の一コマのような世界には、小さな命への愛と広大無辺な宇宙への畏怖が共存する。このディーン・ボーエンの極めて個性的な創作は、オーストラリア特有のイメージとしても注目されるものだ。2023年には現代オーストラリアを代表するアーティストとして、群馬県立近代美術館と徳島県立近代美術館にてディーン・ボーエンの大規模な巡回展が開かれ、雄大さと可愛さを併せもつ作品が、日本の多くの人々にいっそう親しまれるところとなった。本展はディーン・ボーエンがほとんど無名であった1995年以来紹介を行うギャルリー宮脇での久々の個展。コロナ禍で発表が遅れた近作・新作も含む油絵・水彩画・版画、合計60点によるミニ回顧展。

ディーン・ボーエン 美術館大規模個展(終了しました)

ディーン・ボーエン, DeanBowen, ギャルリー宮脇, galeriemiyawakiディーン・ボーエン, DeanBowen, ギャルリー宮脇, galeriemiyawaki

ディーン・ボーエン
オーストラリアの大地と空とそこに生きる私たち


群馬県立近代美術館 2023年7月8日〜8月27日
→ https://mmag.pref.gunma.jp/exhibition/exhibition-3408  


徳島県立近代美術館 2023年9月16日〜12月10日
→ https://art.bunmori.tokushima.jp/bowen/

1995年にオーストラリアの版画家としてギャルリー宮脇でセンセーショナルに日本デビューしたディーン・ボーエン。表現方法のスケールはますます大きくなり、現地ではモニュメンタルなブロンズ彫刻も高い人気を博している。日本初のみならず作者のキャリアのなかでも最大規模となる本巡回展では、版画80点のほか、油彩や水彩、ブロンズ彫刻、アサンブラージュ、アーティストブックなど全150点を紹介する。

ギャルリー宮脇では、ディーン・ボーエンの作品を販売しています。
多くの版画は常時複数在庫していますので、美術館でお気に入りの作品を見つけたらお気軽にお問い合わせください。

2024年新春の企画展

不確定性の風景
Mezzotints by Atsuo SAKAZUME
坂爪厚生メゾチント新作展

2024年119日|金 〜24日|日
午後1時〜6時 月休
初日1/19夕刻5時〜オープニングパーティ

京都を拠点に創作する坂爪厚生(b.1941〜)は、1970年代から活躍するメゾチント技法を代表するベテラン版画家。メゾチントは、ビロードのような質感を醸す“黒”を特徴とするが、作者は近年、これもまた独特の豊かな質感を湛える“白”の表現性を追究している。ギャルリー宮脇で4年振りとなる個展で新シリーズ「不確定性の部屋」「不確定性の風景」など約30点を発表。

<作者の言葉>
数年前より「不確定性」をキーワードにして制作しています。ハイゼンベルグの「不確定性原理」から拝借したものですが、現代のデジタル社会につながる基本的な考え方で「存在の確かさ」に対する問題を提起しているように思います。大量に押し寄せるデジタル情報は処理しきれず、ものの実体がかえって不明確になってきているように感じています。現実世界とヴァーチャル・リアリティの世界が重層化し、視線は対象にそのまま吸い込まれていくような心もとない感じです。ものと対峙するときに、距離感を感じてしまうこのような現代の状況を表現していきたいと思っています。


Online Gallery 坂爪厚生新作シリーズより(画像クリックで新しい画面に拡大します。)
坂爪厚生, ギャルリー宮脇, galeriemiyawaki 坂爪厚生, ギャルリー宮脇, galeriemiyawaki 坂爪厚生, ギャルリー宮脇, galeriemiyawaki 坂爪厚生, ギャルリー宮脇, galeriemiyawaki
坂爪厚生, ギャルリー宮脇, galeriemiyawaki 坂爪厚生, ギャルリー宮脇, galeriemiyawaki 坂爪厚生, ギャルリー宮脇, galeriemiyawaki 坂爪厚生, ギャルリー宮脇, galeriemiyawaki

作品タイトルと限定部数   共通データ→イメージサイズ66×49.5cm、シート発表価格共通110,000円 通販承ります。

上段左から「不確定性の部屋ーキリコの輪廻しの少女はどこに・・・」ed.20「不確定性の部屋ーマグリットの記憶は山高帽に収斂する」ed.20「不確定性の風景ーブリューゲルの時間はバベルの塔に凝集する」ed.20「不確定性の風景ーゴッホの想い・オーヴェルの教会への道」ed.20
下段左から「不確定性の部屋ーマン・レイの恋人たちの時間」ed.20「不確定性の風景ー東寺にて・塔の上に雲の帽子あるいはUFO?」ed.20「不確定性の風景ー銀閣寺・向月台と銀沙灘」ed.15、「不確定性の風景ー竜安寺石庭にて」ed.15



1995年以降のギャルリー宮脇のユニークな展示活動の一端を映す個人による蒐集作品
S氏コレクション展
2023年128日|金 〜1224日|日
午後1時〜6時 
特集パンフレット『螺旋階段』第115号を見る
<開廊50周年改修リニューアルオープン記念号>

当画廊ビルは、この度開廊50周年記念の改修工事を終え、今秋リニューアルオープンしました。本年の掉尾を飾る企画として、1995年以降の当画廊のユニークな展示活動の一端を映す個人による蒐集作品をはじめて一堂公開する『S氏コレクション展』を開催致します。コレクションは、1995年に当画廊から日本デビューし、今年大規模な個展を群馬・徳島の県立近代美術館に巡回したディーン・ボーエンの銅版画に始まり、黒崎彰、李禹煥、加納光於ら主に現代版画の重要作家から日本ではほとんど知られていな海外の作家やアール・ブリュットまで、現代美術の幅広い領域から鋭い審美眼によって選び抜かれたものです。本展ではその一部として22作家による30余点を展示いたします。
50周年, ギャルリー宮脇, galeriemiyawaki 50周年, ギャルリー宮脇, galeriemiyawaki 50周年, ギャルリー宮脇, galeriemiyawaki
出品作家
エドモン・アンジェル 加納光於 柄澤齊 黒崎彰 黒須信雄 小林敬生 マルティーヌ・コプノー 齋藤修
ジェラール・サンドレイ 車又姫 福田淳子 アーサー・ボイド ディーン・ボーエン ウシ・ポンプ
松谷武判 ジーン・マン 宮川隆 アンナ・ゼマーンコヴァー ブルーノ・レティ
文承根 山下壮 李禹煥        .....以上、S氏コレクションの一部として22作家の合計三十余点展示

いしいしんじ, 塔本シスコ, ギャルリー宮脇 いしいしんじ, 塔本シスコ, ギャルリー宮脇 特別イベント・11月11日午後3時半〜
(申込先着順・定員40名・参加費1,000円)満員御礼!
いしいしんじその場小説**
えのぐがいのち〜シスコのための短いおはなし


**小説家・いしいしんじがマイクを左手、鉛筆を右手に、
その場の空気や人々と呼応しながら即興的に小説を書き
下ろし読み上げる、前代未聞のライブ!!


いしいしんじイベントのページ

『塔本シスコ 絵と絵と絵の人生』出版記念
生誕110年・塔本シスコ
2023年113日|金・祝 〜1125日|土
午後1時〜6時 
案内カードを見る(新刊出版情報・イベント情報掲載)

初日11/3は、評伝著者・福迫弥麻(シスコの孫)が在廊し、
野村誠作曲「おかえりなさい、シスコさん歌」*を会場に流します。

*シスコの故郷・熊本県宇城市の皆さんの協力を得て音楽家・野村誠がつくった100年前と現在をつなぐ音楽。
歌詞は大勢の小学生がシスコさんの絵を見て考えました。

塔本シスコ, Shisuko Tomotoギャルリー宮脇, galeriemiyawaki

花々や果実、鳥や虫、猫、月、家族との生活、懐かしい故郷の記憶などを描いた独学・素朴の画家・塔本シスコの生誕110年展。孫・福迫弥麻による初評伝「私は死ぬるまで絵ば描きましょうたい」を収録し、絵を全編に散りばめた『塔本シスコ 絵と絵と絵の人生』(katsura boos)が刊行される。波瀾に満ちた前半生を乗り越え、50歳を過ぎてから絵を描き始め、2005年に91歳で亡くなるまでの40年近くの間、天真爛漫な子どものように絵を描きまくったシスコのアトリエは、息子夫婦と孫二人と同居する団地の四畳半の自室。そこで日常のすべての出来事が日記のように絵になっていった。本展は2021-22年に巡回した大規模な美術館回顧展後はじめての画廊個展。初期から最晩年の油絵、オブジェなど、巡回展出品作を含む貴重な遺作の数々を展覧する。
塔本シスコ, Shisuko Tomotoギャルリー宮脇, galeriemiyawaki
新刊書『塔本シスコ 絵と絵と絵の人生』(katsura books)
既存画集とは一線を画す、めくるめくシスコの世界に浸れるビビッドな“絵の本”ここに誕生!
シスコの孫・福迫弥麻執筆の初の評伝「私は死ぬるまで絵ば描きましょうたい」を収録し、
図版を全編に散りばめた “評伝画集”。B5変形 184ページ
☆本体価格税込 3,300円 送料込み 3,500円にて通信販売承ります。(郵便払込用紙同封で発送)
・・・・特典・・・・シスコの絵からつくった特製しおりをプレゼント!

甲斐扶佐義, kaifusayoshi, ギャルリー宮脇 甲斐扶佐義, kaifusayoshi, ギャルリー宮脇
甲斐扶佐義
コロタイプ限定エディション

お披露目レセプション
10月24日午後6時〜
満員御礼!


甲斐扶佐義コロタイプ限定エディション
甦る名作写真
甲斐扶佐義 コロタイプ限定エディション 発売記念展示
2023年1024日|火 〜1029日|日
午前11時〜午後6時 
初日10/24午後6時〜オープニングパーティ
コロタイプ4種披露とともにヴィンテージプリント20点を展覧します。

京都新聞 ★ 記事 2023年10月16日夕刊   毎日新聞 ★ 記事 2023年10月18日京都面
読売新聞 ★ 記事 2023年10月27日京都面
甲斐扶佐義, kaifusayoshi, ギャルリー宮脇, galeriemiyawaki 甲斐扶佐義, kaifusayoshi, ギャルリー宮脇, galeriemiyawaki 甲斐扶佐義, kaifusayoshi, ギャルリー宮脇, galeriemiyawaki 甲斐扶佐義, kaifusayoshi, ギャルリー宮脇, galeriemiyawaki
詳しい情報を掲載した 特設ページ

 甲斐扶佐義(1949-)のヴィンテージ・プリントは、現在非常に貴重なものとなり、入手困難になっています。多くのプリントやネガが、ほんやら洞の火災によって焼失してしまい、残存する甲斐作品の保全は、写真史上の急務とさえ言えます。
 このコロタイプ限定エディションは、近年ますます評価の高まる甲斐扶佐義写真から名作を選び、少しでも多くの方にその魅力ある作品を愛蔵していただけるよう願い実行するプロジェクトです。
 コロタイプは、19世紀中頃にフランスで発明された写真プリントの技法で、なめらかな階調に深い質感を湛え、顔料インキによる強い耐久性を持つのが特徴です。今回のエディションは、製版段階で甲斐扶佐義自身が細やかに監修し、便利堂の熟練した職人によって刷り上げられました。独特の風合いを醸すコロタイプによる写真プリントは、甲斐作品のイメージに新たな息吹をもたらしています。



伊島薫, 小川美陽, ギャルリー宮脇 小川美陽伊島薫 展『ウツサレタモノ』
満員御礼! 記念イベント
アーティスツ・トーク 9/2(土)午後4時〜
出演:小川美陽 + 伊島薫
+ゲスト仲野泰生
(元川崎市岡本太郎美術館学芸員)
トーク後はレセプションパーティ
特設ページ
開廊50周年リニューアルオープン後最初の特別企画展


Izima Kaoru 第2弾
『ウツサレタモノ』小川美陽伊島薫
2023年91日〜918
午後1〜6時 9/4,11休廊

特設ページを開設しました。
伊島薫ステートメントや仲野泰生Web特別寄稿、出品作品画像などを掲載。


京都新聞 ★ 展評 2023年9月9月
ギャルリー宮脇, galeriemiyawaki ギャルリー宮脇, galeriemiyawaki
『死体のある風景シリーズ』(2000年頃)で国際的にも知られる伊島薫(1954〜)は、80年代から音楽やファッションの広告写真の第一線で活躍してきた写真家。近年手がける「スクリーンショット シリーズ」は、既成のイメージを画像編集ソフトによってカラフルで抽象的なグラフィック作品に昇華している。

シリーズ企画「&伊島薫」は、伊島自身の創作とはちがった方法や世代の作品を紹介しながら、写真表現について問うコラボレーション展。今回選ばれたのは、時間的要素や痕跡として”写真”を用い、不在からリアリティを取り戻すことを試みる新進写真家・小川美陽(1996〜)。「ファウンド・フォト」であるネガフィルムを言葉で読み取り、AI画像作成機能を使用して出力することで、決して辿り着けないイメージへの接近を試みる。かくして二人の作品の「ウツサレタモノ」は、不在と実在、真実と虚構の意味をも曖昧にしている。


記念イベント◆ アーティスツ・トーク 9/2(土)午後4時〜
小川美陽 + 伊島薫 +ゲスト仲野泰生
(元川崎市岡本太郎美術館学芸員)

ギャルリー宮脇 開廊50周年記念 改修プロジェクト 竣工
再オープン
のお知らせ

ギャルリー宮脇, galeriemiyawaki ギャルリー宮脇, galeriemiyawaki
※今夏は原則アポイントメント制とさせていただきます。
g.miyawaki ギャルリー宮脇, gmiyawaki, インスタグラム, instagram instagram

当画廊ビルは1973年4月竣工。
今春開廊50周年を迎えました。
このたび半年以上にわたる
改修工事を終えました。
次回企画展は9.1〜



常設展示出品作家:タピエス、黒崎彰、ヴァザルリ、カンディンスキー、ブールデル、マン・レイ、甲斐扶佐義、黒須信雄、ミロ、ブルーノ・レティ、西村一成、フィリップ・ザクサー、鴻池朋子、宮川隆、ピカソ、池田満寿夫。夏季常設期間中は出品作品が変動します。ウィンドウは、タピエスの書のような作品(リトグラフ)。階段はヴァザルリ(セリグラフ)7月中旬には井澤元一の祇園祭などの油絵を展示していました。

ショーウィンドウ大ガラス絵プロジェクト
開廊50周年記念改装工事休廊期間
第二弾
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西脇直毅, Naoki Nishiwaki 西脇直毅, Naoki Nishiwaki
当画廊ビルは1973年4月竣工。
2023年春・開廊50周年

改修工事のため休廊する期間もアートを発信するショーウィンドウ大ガラス絵プロジェクト第二弾は、猫文様が無限に反復増殖するボールペンドローイングで知られるアーティスト・西脇直毅。春を迎えた京都寺町通りに、期間限定の特別な光景を創り出しました。(公開期間 3.3〜5.13)


ショーウィンドウ大ガラス絵プロジェクト
開廊50周年記念改装工事休廊期間
第一弾
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齊藤彩, 中屋敷智生 齊藤彩, 中屋敷智生
当画廊ビルは1973年4月竣工。
2023年春・開廊50周年

改修工事のため休廊する期間もアートを発信し、皆さまに楽しんでいただきたいと願い、ショーウィンドウ大ガラス絵プロジェクト第一弾として、齊藤彩中屋敷智生 の共作を冬の間(12/11〜2/26)公開しました。


他所会場での共催企画
齊藤 彩 展 2022.10.29〜12.11 at 京都場

齊藤彩, aya saito 齊藤彩, aya saito

本展は11月27日朝9:45〜(再放送12月4日夜8:45〜)の
   NHKテレビ日曜美術館アートシーンで紹介されました。


記念座談会「どんどん掘れ!そこに絵がある!」
日時:11月27日・日曜・午後2時〜
座談者:齊藤彩(画家)神保京子(東京都庭園美術館学芸員)
仲野泰生(京都場館長・元川崎市岡本太郎美術館学芸員)宮脇豊(ギャルリー宮脇)

齊藤彩の紹介ページ


甲斐扶佐義写真展「刹那拾遺 ― 日々のあわいに」開催記念トークイベント
飯沢耕太郎(写真評論)神保京子(本展ゲストキュレーター、写真史)
「日々のあわい・写真のあわい ― 甲斐扶佐義の写真を巡って」
トーク後は甲斐扶佐義サイン会
2022年1010日午後3時〜
満員御礼
甲斐扶佐義, Fusayoshi Kai, ギャルリー宮脇 甲斐扶佐義, Fusayoshi Kai, ギャルリー宮脇 甲斐扶佐義, Fusayoshi Kai, ギャルリー宮脇
甲斐扶佐義写真展
刹那拾遺──日々のあわいに
2022年107日〜1023
午後1〜6時 10/11,17休廊
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1010日の飯沢耕太郎神保京子トークイベント&甲斐扶佐義サイン会は
好評のうちに終了いたしました。満員御礼。


甲斐扶佐義, Fusayoshi Kai 甲斐扶佐義, Fusayoshi Kai  左・店頭を掃く少女 青龍町 上京区河原町今出川上ル 37.3×55.8cm 1978年  右・中京区先斗町ネコ公園 13×17.6cm 1996年   共にゼラチン・シルバー・プリント

 甲斐扶佐義(Fusayoshi Kai 1949〜)がレンズを向けるのは、国際的観光都市、京都の風景。しかしそれは、異郷人の視点で語られる名所や観光地の類いではなく、路地裏に息づく人々の生活、飾り気のない日常の光景だ。大分県に生まれた甲斐が初めてカメラを手にしたのは11歳の頃。1950年代に刊行された『岩波写真文庫』は少年時代の彼にとって恰好の教科書だった。大学進学と同時に京都に住み始めると、写真は被写体との間に築かれるコミュニケーションツールともなって、日々の膨大な記録が撮り溜められていった。
 1977年、写真を辞める記念にと刊行された初の写真集『京都出町』は、数多く発表されるようになる作品集の出発点となり、その後国内外で注目され数多くの写真展が開催された。2019年にはフランス国立造形芸術センターのパスカル・ボースのキュレーションにより二条城で初の回顧展「京都詩情」が実現。昨年刊行された『甲斐扶佐義評論集 路上の人』には、写真家の作品と人柄を敬愛する学者や研究者、アーティストや学生ら約70人によるエッセイが寄稿された。
 どこにでもありそうな恒常的な日常。そして時に昭和の記憶を残すような、日本人の心に懐かしく響く人々の佇まいが、時に異次元の予兆をひらめかせながら写し留められている。本展ではゲストキュレーターに神保京子(美術評論)を迎え、1970年代から2000年にかけて撮影されたヴィンテージプリントを中心に約50点を展示。来年開廊50周年を迎えるギャルリー宮脇の改装前最後の展覧会で、同画廊初の写真展となる。

企画展パンフレット『螺旋階段』第114号を9月下旬に刊行しました。神保京子寄稿掲載。


池澤夏樹ヨルク・シュマイサー詩画集『満天の感情』出版記念イベント
池澤夏樹 講演会&サイン会『古事記』世界を旅する二人
2022年917日午後3時〜
満員御礼
池澤夏樹, Jorg Schmeisser, ヨルク・シュマイサー, ギャルリー宮脇 池澤夏樹, Jorg Schmeisser, ヨルク・シュマイサー, ギャルリー宮脇 池澤夏樹, Jorg Schmeisser, ヨルク・シュマイサー, ギャルリー宮脇

池澤夏樹|ヨルク・シュマイサー
『古事記』詩画集 満天の感情 出版記念展
2022年99日〜925

午後1〜6時 9/12,20休廊
917日の池澤夏樹講演会&サイン会は好評のうちに終了いたしました。満員御礼。

ヨルク・シュマイサー没後10年に捧げる

ヨルク・シュマイサー, 池澤夏樹 ヨルク・シュマイサー, 池澤夏樹 ヨルク・シュマイサー, 池澤夏樹

傑出した銅版画家として知られるヨルク・シュマイサー(Jorg Schmeisser 1942〜2012)は、1968年京都市立美術大学(現京都市立芸大)留学のために来日し、墨絵のように醸し出される風景の美と、自然を至上の精神として眺める日本人の心に惹かれながら4年を過ごした。京都で制作された木版画集『古事記』(扉印章含む全28葉)が1970年に発表されると、日本人が誰も描かないような造形性によって『古事記』の世界を表現した若いドイツ人版画家の登場に美術界は驚き注目した。当時から「この絵の強い力に突き動かされた」という作家・詩人の池澤夏樹は、70年代から『満天の感情』の出版を構想して詩作に取りかかったが、じつに半世紀を経てシュマイサーの没後10年を機に、遂にこの詩画集は完成を見ることとなった。
本展では、新刊詩画集『満天の感情』(河出書房新社刊)の原画となったシュマイサーの木版画集『古事記』全点(扉印章含む28葉、1970年)と、当時の墨絵や銅版画など貴重な関連作品を展覧する。

企画展パンフレット『螺旋階段』第113号を刊行しました。
池澤夏樹がヨルク・シュマイサーに捧げた特別寄稿「見知らぬ土地に行きたい」を収載。



物故作家 常設作家展
2022年719日〜827

塔本シスコ, 井澤元一, 小牧源太郎, 黒崎彰
4作家、合計60余点展示
午後1〜6時 日月休
本展会期中は盆休及び臨時休廊が見込まれるため事前にお問合せ下さい。
Instagramでも直前にお知らせ致します。


8月下旬まで物故作家4名による<常設作家展>を行います。
塔本シスコ(1913-2005) 30点(油絵、焼物、扇子、瓶、竹筒など)
井澤元一(1909-1998)16点(油絵)              
 小牧源太郎(1906-1989)8点(油絵)             
  黒崎 彰(1937-2019)8点(ペーパーワーク、木版画)      

2022.7.8-9-10(3日間) ART OSAKA 2022(会場:大阪市中央公会堂)
Galerie Miyawaki presents Naoki Nishiwaki and Aya Saito at Art Osaka 2021
Art Osaka 2022 西脇直毅齊藤彩の二人展形式で出展しました。


現代作家 常設作家展
2022年63日〜72

鴻池朋子, 黒須信雄, 谷本光隆, 西脇直毅, 西村一成, 齊藤彩, 塔本シスコ
7作家、各5点展示
午後1〜6時 日月休
本展会期中は臨時休廊が見込まれるため事前にお問合せ下さい。
Imstagramでも直前にお知らせ致します。

鴻池朋子, 黒須信雄, 谷本光隆, 西脇直毅, 西村一成, 齊藤彩, 塔本シスコ 西脇直毅
久々の常設作家展で7作家による各5点を出品。塔本シスコは初の大規模回顧展が岐阜県美(〜6/26)から滋賀県美(7/9〜)へと巡回。西村一成は渋谷公園通りギャラリー(〜6/26)とローザンヌのコレクシオン・ドゥ・ラール・ブリュットのグループショーに参加中。西脇直毅は「ファルマコン〜新生への捧げもの」展でThe Terminal KYOTOの町家空間3室に展示(〜6/19)。鴻池朋子は高松市美で個展(7/16〜)。西脇直毅齊藤彩は7/8, 9, 10のArt Osaka 2022に2人展で出展します。  案内カードを見る



1月22日に開催を延期しました講演会を5月14日に開催しました。
2022年514

マン・レイと女性たち』の著者・巖谷國士による講演会+特別プログラム
参加は有料、定員あり、完全予約制(先着順受付)
プログラムの詳細をご確認ください。

巖谷國士 at ギャルリー宮脇

巖谷國士, Man Ray, マン・レイ 巖谷國士, Man Ray, マン・レイ 巖谷國士, Man Ray, マン・レイ

第十回個展
西村一成 新作展
Dear Dr.Naumann - 急啓 ナウマン博士殿
2022年48日〜424
午後1〜6時 月曜休廊

西村一成, Issei Nishimura 西村一成, Issei Nishimura
 左「INTERRUPTIONS」116.7x182cm             右「夕食支度人」91x145.5cm

まるで別世界に置かれたような感じであった。・・・その時、私は、自分が著しく奇妙な地形を眼前にして
 いることを十分に認識していた
(1875年フォッサマグナに初めて気付いたときのナウマン博士のことば、山下昇訳)


 一個の人間の心身には無数の様々な起伏がある。出っ張ったり窪んだり、丸みを帯びたり尖ったりしながら、目に見える体の表面はもとより、大小の穴という穴から体の内側へと、さらに深いところの未知なる宇宙へと、その形態は果てしなく繋がっていく。絵画とは、そのような画家の内奥が極度に褶曲して外面に露わになったようなものだろう。一旦出来上がった絵を繰り返し塗り封じては上書きをする西村の作品は、図像が複雑に交錯して炸裂するようなイメージに達する。画布の下に別の絵や異物が内蔵された複層的、立体的な作品も生まれる。その終わりなき画層の重なり合いから放たれる画家の息吹と身振りに観る者は強く打たれる。描くことへの衝動をチャンスとして逃さない西村の絵からは、人にとっての原初のグルーヴが生き生きと伝わってくる。西村一成の絵画は、まるで一つの惑星のように生きている人間の心身の脈動が生み出す造形だ。ギャルリー宮脇に於ける10回目の個展で新作ペインティング30点を発表する。(Webカタログ公開予定)
案内チラシ表を見る  案内チラシ裏を見る


齊藤彩
歩く― 彷徨の記憶をはぐくむ時間

アーティスツトーク
齊藤彩×中屋敷智生
「歩くように、描く」
2月27日15時〜

ゲスト/仲野泰生
(京都場館長・元川崎市岡本太郎美術館学芸員)


つなぎて/杉浦幸子
(武蔵野美術大学芸術文化学科教授)



齊藤彩

画廊の大ガラスウィンドウに出現した齊藤彩×中屋敷智生による即興ペインティング (2/26〜3/18)
To walk is to wander, to think, to grow to know
歩く― 彷徨の記憶をはぐくむ時間
 齊藤彩 × 中屋敷智生 二人展
2022年215日〜36
 午後1〜6時 月曜休廊
 ●2月26日14時〜ライヴドローイング「彷徨と邂逅」on 画廊大ガラスウィンドウ 
   ●●2月27日15時〜アーティスツトーク 齊藤彩×中屋敷智生「歩くように、描く」    
       ゲスト/仲野泰生(京都場館長・元川崎市岡本太郎美術館学芸員)
   つなぎて/杉浦幸子(武蔵野美術大学芸術文化学科教授)

齊藤彩 中屋敷智生 生きることにも通じる歩くこと、そのときのポジティブなさまよいは、画家が絵を描くことにも似ていないだろうか。画家たちは、日々の彷徨の記憶を反芻し、創造に置換する。歩くことで想像をはぐくみ、アトリエに帰るとキャンバスや紙の上をさらに歩きつづけるのだ。生のままの欲動から手指を使って湧き上がるような図像を描きあげる齊藤彩と、日常の風景や光景をベースに間接的な技法を用いて抽象的な画面を作り出す中屋敷智生。この対照的な二人の画家に、なおも共通性を帯びさせているのは、おそらく二人が共に歩くときのさまよいの感覚を携えているからであろう。見つけては過ぎ消え去っていく彷徨の記憶。歩くことと創ることは似ている、だからこそ歩き、さまよい、描きつづける。二人の画家の最近作を中心に合計40点を展示。→フライヤーを見る

齊藤彩(本展は2021年4〜5月に武蔵野美術大学芸術文化学科で行われた同じ二人によるプロジェクト「齊藤彩×中屋敷智生 二人展 歩く - 感覚と思考の交差点」の京都編として、「歩く」をキーワードに据えつつ構成を全く新たにして行う展覧会です。)

中屋敷智生 作品画像
左上・齊藤彩(無題 20211127)
2021 135.5×90cm 紙, 油彩,アクリル
右上・中屋敷智生「Saw Lightning」
2021 91×73cm カンバス, 油彩,アクリル,テープ
下左・中屋敷智生「Loose Knot」
2021 73×61cm カンバス, 油彩,アクリル,テープ
下右・齊藤彩(無題 2021030)
2021年 135.5×100cm 紙, 油彩,アクリル

 中屋敷智生ホームページ                   齊藤彩紹介ページ

本イベントは、コロナウィルスの急激な感染拡大状況を鑑み延期となりました。

2022年122日 新春特別イベント

マン・レイと女性たち』の著者・巖谷國士による講演会+特別プログラム
「パリとマン・レイ」
参加は有料、定員あり、完全予約制です。
プログラムの詳細をご確認ください。


巖谷國士 at ギャルリー宮脇特集ページ
2021年の掉尾を飾る特別企画

巖谷國士★最新刊『マン・レイと女性たち』出版記念
マン・レイと女性たち Ver. 京都, ギャルリー宮脇
MAN RAY AND THE WOMEN --- Ver. Kyoto, Galerie Miyawaki

版画集『時を超えた貴婦人たちのバラード』全点展示

巖谷國士脚本、唐組名優のナレーションによるスライドショー視聴会

2021年129日〜1225
1PM〜6PM 【月火水及び16日休廊】
ナレーション俳優紹介と上映スケジュール
本展案内状を見る
巖谷國士特集ページ
巖谷國士, Man Ray, マン・レイ 巖谷國士, Man Ray, マン・レイ 巖谷國士, Man Ray, マン・レイ

 巖谷國士監修による展覧会「マン・レイと女性たち」が、今夏、東京渋谷のBunkamura ザ・ミュージアムで開催され、その展覧会図録として同名の書籍が平凡社より刊行された。コロナ禍の緊急事態宣言下の開幕で、鑑賞者の多くは関東近県、東京近郊の人々に限られたともきく。また同会場では、個々人が愉しめるはずのオーディオガイドの利用も中止されたそうで、その未公開プログラムの一部を当画廊バージョン用に形式をかえ、ご紹介する機会としたい。
 プログラムの内容は、巖谷國士によるまるで短篇小説のように編まれたストーリーと、それを劇団唐組の名優たち、久保井研と藤井由紀が朗読するという豪華版である。書籍『マン・レイと女性たち』から抜粋されたページをスライドショーに仕立てなおし、目から耳から、本書を愉しむことができる。
 女性たちとの出会いを通してさまざまに創作をくりひろげたマン・レイ。その生涯を、この視聴会で、ライヴに、アクチュアルに体験していただけることだろう。画廊2階の上映ルームでは、パリのマン・レイ関連地図などのパネルを設置予定。【定員入替制, 視聴料1,000円】
 1Fギャラリーでは、美術館展にも出品され本書にも掲載されているマン・レイの1971年に出版された版画集『時を超えた貴婦人たちのバラード』(La Ballade des Dames hors du Temps, オリジナル銅版画14点+ケース等)を全点展示する。画廊所蔵の本作をすべて額装して展覧するのは今回が初めてである。80歳を迎えたマン・レイがこの美しいポートフォリオに取り上げた思い出の女性たちは、現実の女性もいれば、誰なのか特定できない未知の女性たちもいる。【版画展は無料でご覧いただけます。】

巖谷國士, Man Ray, マン・レイ 巖谷國士, Man Ray, マン・レイ 巖谷國士, Man Ray, マン・レイ 巖谷國士, Man Ray, マン・レイ 巖谷國士, Man Ray, マン・レイ 巖谷國士, Man Ray, マン・レイ


第三回個展  

黒須信雄 展「蛇菩陀羅(だぼだら)
新作ペインティング2020〜21
2021年1112日〜1128 1PM〜6PM 月休
<作者在廊 11月19日・20日>
→案内リーフレットを見る(作者テクスト掲載)

 黒須信雄 黒須信雄 黒須信雄

絵画を「存在論的遡行意志に基づく存在形式転換としての顕現」と唱える黒須信雄(1962年生まれ、多摩美大油画卒、東京在住)の当画廊での二年ぶり三回目の新作展。物質を通して〈見える〉ものでしかないにもかかわらず、非物質としてしか「顕現」しない絵画は、〈見る〉を意志することのみによって成立する。そういった観念を追究し、30年にわたって創作に実践してきた。実虚対峙の複層的階梯を繰り返し上昇下降するかのようなひたすらの反復描画。虚の側に在る“未出現”のものは、絵具に触れる度に痕跡を残しながら絵画の深奥へとその本質を隠しつづけ、無限構造のビジョン/イリュージョンが招聘される。そこでは実虚が捻れて秩序と混沌の区別は喪失し、無分節な状態から明晰な構造が醸される。こうして黒須の絵画には「何処でもない場処で何物でもないものが萌芽」し、見るものの想念は果てしない“根源形象”に満たされることとなる。「蛇菩陀羅(だぼだら)」を中心に、「於母蛇流(おもだる)」「淤泥華(おでいげ)」など、100号含む主にキャンバスにアクリルで描いた2020〜21年新作約40点を発表。作者のテクストを掲載したリーフレット発行。→案内リーフレットを見る


<はじまり かたち>
鴻池朋子「素焼粘土」を中心に
 フォートリエ、ミショー、ミロ、マッタの版画と。

2021年107日〜1030
1PM〜7PM 10月11,17,18,25日休廊

→→→本展の特設ページを開設
→→→仲野泰生氏による論考を掲載
→→→いしいしんじ書き下ろし詩を掲載
→→→鴻池朋子インタビューが京都新聞に掲載

本展は、東日本大震災後の鴻池朋子の創作に大きな変革をもたらした素焼き粘土250点以上を展示の中心に据え、ジャン・フォートリエアンリ・ミショージョアン・ミロロベルト・マッタの版画とともに、イズムや分類、技法など既存の美術用語を参照することを止め、ものづくりの始原へと回帰することによってそれぞれのかたちを生み出したこれら作家たちに通底する造形の道程に思いを馳せる試みです。
鴻池朋子, こうのいけともこ, Tomoko Konoike  鴻池朋子, こうのいけともこ, Tomoko Konoike
「はじまりとかたち」onLINE specials
いしいしんじ(小説家)が 鴻池朋子「素焼粘土」について寄稿<掲載しました>
仲野泰生(京都場館長・元川崎市岡本太郎美術館学芸員)「はじまりとかたち」について寄稿<掲載しました>
吉岡洋(美学者・京都大学こころの未来研究センター特定教授)と 鴻池朋子との対談収録<後日動画公開>

2021.7.18-19-20(3日間) ART OSAKA 2021(会場:大阪市中央公会堂)に個展形式で出展
Galerie Miyawaki presents Aya Saito at Art Osaka 2021
Art Osaka 2021 齊藤彩の個展形式で出展します。
リーフレットを見る
特別寄稿掲載:仲野泰生(京都場館長、元川崎市岡本太郎美術館学芸員)
「齊藤彩──彼女の絵画は原初の喜びの歌なのか」


Aya Saito onLINE 特集
齊藤彩
2021.4.19〜5.15 武蔵野美術大学・鷹の台キャンパスで、齊藤彩×中屋敷智生2人展「歩く - 感覚と思考の交差点」
2021.5.14〜6.16 女子美術大学・杉並キャンパス・ガレリアニケで、ニケキュレーターズセレクション#5 「齊藤彩展」
2021.7.18-19-20(3日間) ART OSAKA 2021(会場:大阪市中央公会堂)に個展形式で出展

神保京子 ★ WEB連載寄稿 ④ 「齊藤彩──増殖し続ける曲線とドット」を読む

齊藤彩, Aya Saito

 ← 見る 50 PAINTINGS BY AYA SAITO 齊藤彩大型紙油彩作品50選 齊藤彩, Aya Saito

         25 DRAWINGS BY AYA SAITO 齊藤彩油彩ドローイング25選
                       ↓ 見る
齊藤彩, Aya Saito

Takashi Miyagawa 第二回個展 Automatic Drawings
宮川隆 作品展「日々の祈り II」
自動筆記ドローイング
2021年618日〜74 1PM〜7PM 月休

作者のことば と Online Gallery
神保京子 ★ WEB連載寄稿 ⑤ 「宮川隆──呼び続ける魂」 を読む

宮川隆, みやがわたかし  1955年宮古島生まれの宮川隆は、グラフィックデザインの仕事のかたわら、1993年頃から自動筆記によるインクドローイングを描きはじめ、祈りを込めながら、日々取り憑かれたように描き続けてきた。「肉体の反応のままに描いてみた」というその作品は、各々に別の宇宙に属するという一本一本のラインを際限なく次々に関係付け、平面に定着するというアクロバティックな所業である。ひたすら紙上に引かれたその文字のような線描は、ケオティックだが美しい無秩序の秩序だ。森羅万象を網羅したかのようなじつに多様な造形世界を結ぶ宮川の作品は、言い知れぬ不思議さを醸し出している。このような景色、形象は、一体どこからやってくるのか!? 何を意味するのか!? 25点展示。→案内カードを見る


宮川隆(無題 #21-05)36x24cm(画像クリックで拡大表示)

* * *

宮川隆作品展開催中、2Fギャラリーにて常設展示を併設。
小牧源太郎、黒崎彰、山下壮、鴻池朋子、西脇直毅、齊藤彩の作品合計30点を展示しています。

2021 春の企画展 第二弾

Amazing Ballpoint Pen Drawings by Naoki Nishiwaki
意 気 猫 々 いきびょうびょう 西脇直毅 新作展
NAOKI NISHIWAKI
2021年49日〜425 1PM〜6PM 月曜休廊
西脇直毅 Naoki Nishiwaki
案内状を見る
★ Online Gallery 発表新作全点と作者からのメッセージを掲載 ★
西脇直毅, Naoki Nishiwaki 西脇直毅, Naoki Nishiwaki 左:76.7x108.7cm(2018) 右:25.7x18.2cm(2020)いずれも紙にカラーボールペン(画像をクリックすると別ウィンドに拡大します)

西脇直毅の 驚異のボールペン画!
見る者を果てしない視覚冒険へと誘う、西脇直毅 のマジカルな創造世界。当画廊で三年ぶり三回目の個展となる本展で、1m超えの全紙作品からハガキ大のミニ作品まで約30点の新作発表。猫文様の画中に魚が現れたり、縄文様が渦巻いてネコや魚が象られたり、ペイズリー型に囲われた作品が連作されたりするなど、無限の形態を創出する作者の新たな展開を紹介。 西脇直毅 の「猫文の結晶」が織り成す、目にも綾なるミクロコスモスは、まさに「驚異の」と呼ぶにふさわしい!

2021 春の企画展 第一弾

New Paintings and Drawings 2020-21 by Issei Nishimura
第9回個展
西村一成 新作展
「愛しのキノコ」

Issei Nishimura
2021年312日〜328 1PM〜6PM 月曜休廊
Issei Nishimura
特別寄稿 ★ いしいしんじ 「亀の頭」西村一成の線描に捧げる
掲載案内状を見る

★ Online Gallery 本展出品作全点掲載 ★

西村一成, Issei Nishimura 西村一成, Issei Nishimura 西村一成, Issei Nishimura
画像左から「痙攣」「キノコ雲」「昼食料理人」いずれも116.7x91cm、画布にアクリル, ジェッソなどミクストメディア、2020年作

身体性の強い奔放なタッチで、人間像が解体されたり膨張したりして著しく変形する幻視のイメージ。
インクドローイングでは、画家の内面から蜘蛛の糸のように繰り出される線描が "世界" を創る。
この一年に制作された新作ペインティングとドローイング合計34点を発表。
ギャルリー宮脇での初個展から10周年にして9回目の個展。
海外でも注目されるセルフトートアーティストの最新作!

Galerie Miyawaki SELECTION 〜2/20

ブルーノ・レティ、李禹煥、宮川隆、黒須信雄、黒崎彰、山中現

常設展示

ブルーノ・レティ, Bruno Leti 李禹煥, Lee U-Fan 宮川隆, Takashi Miyagawa

黒須信雄, Nobuo Kurosu 黒崎彰, Akira Kurosaki 山中現, Gen Yamanaka

A Memorial Exhibition of Akira KUROSAKI 1937-2019
黒崎彰追悼展
〜 創作50年の軌跡〜
2020年1114日〜29 1〜7PM 11/16のみ休廊

追悼パンフレット『螺旋階段』第112号刊行(紙面全体をご覧いただけます)
・「伝統と新たな創造の華麗な精華」太田垣實(元京都新聞社編集論説委員)
・「黒崎彰作品に頻出するイメージ―とくに耳と階段について」馬場駿吉(元名古屋ボストン美術館館長)
<追悼評論続編WEB特別掲載>馬場駿吉「黒崎彰作品に頻出するイメージ <補遺>」←読む


黒崎彰, くろさきあきら, Akira Kurosaki 黒崎彰, くろさきあきら, Akira Kurosaki 黒崎彰, くろさきあきら, Akira Kurosaki 黒崎彰, くろさきあきら, Akira Kurosaki

浮世絵版画の技術と精神を蘇生することで70〜80年代現代版画の最も革新的な表現に到達した黒崎彰。
後年、韓国手漉き楮紙の表裏に摺刷したり、自らパルプを作り紙を漉くペーパーワークを手がける等、
ときに技法と素材に大きな変化を遂げながら表現領域を拓きつづけた。古来より営まれる人類の
文化史を探ってインスピレーションとし、人間存在を象徴的に図像化した構成的作品は、高度に
暗示的な抽象性を表している。旅を愛し、世界を巡った作者は、半世紀に及ぶ活動を経て、
最晩年「近江八景」「万葉」といったテーマに取り組み、日本人として含蓄深い原点回帰
を果たした。本展は2019年5月14日に享年82歳で逝去した作者の1年半の命日から
行う。第一作と最後の作品を含む木版画40点で、創作50年の軌跡をたどる。
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<追悼評論続編WEB特別掲載>

馬場駿吉「黒崎彰作品に頻出するイメージ 〈補遺〉 」

柄澤齊 木口木版画展

<肖像シリーズ>1981-2020 五十作到達記念
エディションとヴァリエーションによる全点 展示

2020年101日〜18

岡田温司特別寄稿と全点図版 WEB掲載

柄澤齊, からさわひとし, Hitoshi Karasawa, 木口木版画, 肖像シリーズ

作者の言葉「肖像シリーズによせて」と50作タイトルリストを掲載したリーフレット
(上の画像クリックで拡大)


岡田温司特別寄稿と全点図版 WEB掲載

会期終了後も <山中現2020WWWカタログ> で作品イメージをご覧いただけます。
版画カタログレゾネ「星と夢」刊行記念展
山中 現 木版画展
新作発表と自選旧作による
2020年73日〜719
1PM〜7PM 月曜休廊

★ 特集パンフレット『螺旋階段』第111号発行 ★
特別寄稿/岡田温司「影と窓と痕跡〜山中現の版画世界」
作者の言葉「光と影と木版画」、図版新作10点/旧作6点掲載 → → → 誌面を見る

ご希望の方には、本展会期末まで無料送付致しますので、どうぞお気軽に申し込みください。


山中現, Gen Yamanaka  山中現, Gen Yamanaka
「ザ・ナイトピース」1985年                     「もうひとつの空」2020年

淡くも暖かみある色差を抑えた多色刷り木版画で人気の高い山中現
抽象と具象のはざまに、時間と存在のシンボルとしての「カタチ」がコンポジションされた山中現の作品は、
みずみずしい詩情を湛えています。表された地と空はどこまでも遠く広く感じられ、
わたしたちを安堵と不安の境界に佇ませます。

☆ ☆ ☆
この度、山中現の40年以上にわたる版画全作品を収載したカタログレゾネ「星と夢」(阿部出版)が刊行されました。
出版記念展となる本展では、前回の個展以降2018〜2020年の新作発表に加え、山中現のキャリアの初期と
なる1980年代の、人を暗示するような棒状の物体が空間に佇み影を落とす墨のトーンを基調にした
作品を貴重なストックから作者が自選し、山中現の長い創作のはじまりと今を展観します。
(新作25点+旧作15点=合計40点出品)

新作25点のイメージを見る

2020 春の企画展シーズン 第三弾
Wood Engravings by Osamu Saito - Neverland ''Chaos''
齋藤 修 木口木版画展
「宇宙へ・・・III “Chaos”」
2020年410日〜426 1PM〜7PM 月曜休廊

リーフレット掲載特別寄稿「星と石の非永遠」 by 寮美千子(作家・詩人)

掲載ページへ ★ WEB特別寄稿 by 神保京子(東京都庭園美術館学芸員)

Neverland “Chaos”ネヴァーランド カオス」シリーズ12点カタログ

齋藤修, Osamu Saito
現代木口木版画を代表する作家、齋藤修。
(1946年島根県生まれ、京都府在住、日本版画協会会員)

明滅する宇宙と水晶の生長を主題にした深遠な時空世界を、四十年以上にわたり、大きな椿の幹の自然の形
 の中に細密に彫り刻んできた。本個展では、ここ数
 年で十二点を制作した「Neverland “Chaos”ネヴァーランド カオス」シリー
 ズを一堂に展示。その他表装仕立ての花々の図、京
 都を主題にしたシリーズ、青の水干絵具による新作絵画など合計約三十点を発表する。


★ ★ ★ 寮美千子特別寄稿「星と石の非永遠」
齋藤修「作者のことば」を掲載した個展案内状を見る

2020 春の企画展シーズン 第二弾
New Paintings and Drawings 2019 by Issei Nishimura
第8回個展
西村一成 新作展
AT A CROSSROADS

Issei Nishimura
2020年311日〜329 1PM〜7PM 月曜休廊
Issei Nishimura
西村一成 - 獰猛な野生と繊細なエロスの共存」
掲載ページへ ★ WEB特別寄稿 by 神保京子(東京都庭園美術館学芸員)
西村一成, Issei Nishimura
昨年ローザンヌのコレクシオン・ドゥ・ラール・ブリュット及び京都市京セラ美術館に作品が収蔵され、
今年1〜2月にはニューヨークでの初個展を開催し好評を博した西村一成の拠点画廊における
毎年恒例の新作展。高さ3m60cmにもなる大作「とっぴんぱらりのぷう」、100号の
「奇妙な果実」をはじめとする大小の大胆不敵なペインティング群、エロスの
充満する線描ドローイングなど・・・合計36点を発表。
注目の高まるセルフトートアーティストの最新作!
西村一成
2会場同時開催
3月6日〜29日「京都場」でも旧作〜新作の秀作展を催します。
月曜と火曜休廊 12PM〜7PM 京都市中京区西ノ京南聖町6-5(最寄駅はJR・地下鉄「二条駅」)
西村一成
京都場では2019年新作100号2点と2008〜2015年の作品から秀作を選りすぐり出品。
ドローイングなども展示し、この十年の作者の創作を概観します。両会場併せてご高覧ください。

尚、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、初日のレセプションと14日のアート講座開催は中止いたしました。

谷本光隆, 南野梓, AzurVert, ギャルリー宮脇 ■ 記念イベント:<2月23日・日/祝・午後2時半〜>
コラージュ組曲『静かな横顔のみつめるもの』by AzurVert

コンテンポラリー音楽デュオのアズールヴェールによるパフォーマンスを開催。谷本光隆の作品に触発されて書き下ろされた楽曲を披露しました。公演後は作者を囲みレセプションを催しました。
2020 春の企画展シーズ開幕 第一弾!
Mitsutaka Tanimoto 当画廊初個展 Collages by Collagist
谷本光隆コラージュ作品展
2020年214日〜229 1PM〜7PM 2/17,25休廊
掲載ページへ ★ WEB特別寄稿 by 神保京子(東京都庭園美術館学芸員)
谷本光隆
      谷本光隆は1974年藤沢市生まれ、大阪育ち、現在長崎市在住。美術は独学。
      2000年より発表活動を行い、20年にわたってコラージュ作品を創っている。
      本展はギャルリー宮脇に於ける初個展で、この10年ほどの作品から秀作を選り抜き
      コラージュ絵画とコラージュブック全50点を展覧する。


谷本光隆, 南野梓, アズールヴェール         作者来場、記念イベント開催!
223日(日/祝)午後2時30分〜開演
パリの国立高等美術学校、白夜祭、アートギャラリーなどでアートとの共演を展開しているコンテンポラリー音楽デュオのアズールヴェール(バイオリン南野梓+ギター谷村武彦)が、谷本光隆の作品のために作曲した無機質なコラージュ組曲『静かな横顔のみつめるもの』を、ギャルリー宮脇の螺旋階段を舞台に演奏披露するアートパフォーマンスを行います。そのあと作者の谷本さんを囲んでささやかなレセプションを催します。どなたでもご参加いただけます。どうぞお誘い合わせお越しください。(作者は2月21日、22日にも在廊予定です。)

坂爪厚生メゾチント新作展
2019年123日〜15 1PM〜7PM 月曜休廊
初日夕刻6時〜オープニングレセプション     

坂爪厚生, さかづめあつお, Atsuo Sakazume 坂爪厚生, さかづめあつお, Atsuo Sakazume
メゾチントの第一人者・坂爪厚生。新作においては、マニエール・ノワール=黒の技法とも呼ばれるこの技法で、白の表現にこだわり、白いマチエールによって現代の社会情況へのシニカルな寓意を表わす。それは、ネットを通じてデジタル化された膨大な情報が氾濫する現況の、見えていて見えない「白い闇」に取り囲まれている感じを可視化し、リアリティを持てない「不確定性」という言葉をキーワードにしている。3年ぶりの新作発表で、「反デジタル絵」「白い闇」シリーズを発表。併せて旧作から、ネット情報化社会の予言と寓意をなす、80年代の「ジグソウパズル」シリーズおよび00年代の「ネット」シリーズも展示。  →案内パンフレットを見る    坂爪厚生の「ネット」シリーズ2012


巖谷國士, 伊勢崎淳, 福田淳子, ギャルリー宮脇

記念講演 ★ 巖谷國士『風土からのアート〜土と水と風と』
<11月2日・土曜・午後3時〜>
「風土」の個別性から普遍性への「出口」となって、人間と自然の失われた関係を回復する
「風土の記憶と再生」の行為としてのアートの可能性が語られました。
岡山県の世代も表現方法も異なる3名の作家を紹介する二つの特別展
『風土からのアート〜土と水と風と』

没後二十年追悼・奥田仁   
   伊勢崎淳福田淳子二人展

2019年1025日〜1123 1PM〜7PM 休廊日10/28, 11/5,11,17,18

★★
二つの記念イベント


終了しました ★ 11月2日(土)午後3時〜5時 講演会「風土からのアート〜土と水と風と」
講師・巖谷國士(明治学院大学名誉教授、フランス文学、美術評論)、伊勢崎淳福田淳子 両作家も来場
巖谷國士講演会情報

終了しました ★ 10月26日(土)午後5時〜7時 奥田仁を偲ぶ夕べとギャラリートーク
トーク・飯島章仁
(岡山市立中央図書館学芸副専門監)
画家のご遺族らも同席され、貴重な作品を鑑賞し、没後二十年の作者を偲びます

福田淳子, ふくだじゅんこ, Junko Fukuda  伊勢崎淳, いせざきじゅん, Jun Isezaki  奥田仁, おくだひとし, Hitoshi Okuda
 福田淳子                    伊勢崎淳                        奥田仁

洋画家・奥田仁(1917〜1999)は、戦前京都で須田國太郎に師事し、独立美術協会で有望視されるも戦後は郷里に戻り、会派に属さず、自然や人生を見つめながら独自の油絵表現を確立した。備前焼の人間国宝・伊勢崎淳(1936〜)は、伝統とは革新の連鎖であると唱え、常に冒険心をみなぎらせながら備前焼の可能性を現代に拓き続けている。用途のない物質性の強いオブジェの創作では、現代美術としての表現も追究している。大学で物理学を学んだ福田淳子(1974〜)は、顔料や砂鉄といった鉱物の粒子を水中で動かすことによって表れる、不思議な形や色による未知のイメージを紙上にすくいとって定着させ作品にする。三者三様の仕事には、おのずと岡山の風土が発現するが、それはいわゆる表面的な「地方色」というものではなく、その土地の自然へと遡行し、その法理の下で、創作者の内奥に深く刻まれた原初的な記憶が引き出されている。記念パンフレット『螺旋階段』第110号を刊行。特別寄稿に、巖谷國士「風土の記憶と再生」、飯島章仁「見えるものを描き続けて〜奥田仁の絵画世界〜」を掲載。  →案内パンフレット『螺旋階段』第110号を見る(JPG1.4MB)   奥田仁のアーカイブサイト


第二回個展  

黒須信雄 展「虚空見(そらみつ)
新作ペインティング2018〜19
2019年920日〜1012 1PM〜7PM 日・月休
<作者在廊 10月4日・5日>

★ 月刊美術「秋の話題展」に紹介されました(9月20日発売)記事を見る

黒須信雄, くろすのぶお,  Nobuo Kurosu


物質性を強く発する黒須信雄(1962年生まれ、多摩美大油画卒、東京在住)の絵画は、一方でその本性がまるごとどこかへ隠れ伏し、虚空に生滅している。虚空を見るとは一体どういうことか?見ようとすると見えないのに、見ないでいると見えてくる、あの感覚はなんなのか?このようなとき、絵画はまるで幻である。実をもって虚を表し、虚を通して実の如しを表す、黒須信雄の絵画がここに“顕現”する。物質を通してしか現れないにもかかわらず、非物質の世界を表す「顕現としての絵画」を追究してきた作者。驚異的なまでに丹念に描き上げられた蠢くような反復増殖の造形的文様は、見る者に眩暈を引き起こし、且つ見る者の意思することを強く喚起する。本展は、2年振り2回目の個展で、連作「虚空見(そらみつ)」を主とする新作絵画を発表。ドローイングと木彫も加え全30余点出品。存在の彼方を透視する観念世界への思索をさらに深める作者のテクストを掲載したリーフレット発行。 →案内リーフレットを見る

8月27日〜9月14日まで初秋の常設展示を行いました
Gallery's Selection, Until 14th September, 1-7PM, closed on 1,2 and 9 Sep:
Joan Miro, Rene Magritte, Lee U-Fan, Johann Fischer, Keiko Minami, Akira Kurosaki, Naoki Nishiwaki, Issei Nishimura, Aya Saito,
Nobuo Kurosu, Takashi Miyagawa and Tomoko Konoike

<展示作家>
ジョアン・ミロ、ルネ・マグリット、リー・ウーファン、ヨハン・フィッシャー、
南桂子、黒崎彰、西脇直毅、西村一成、齊藤彩、黒須信雄、宮川隆、鴻池朋子、合計50点 
午後1時〜7時、9/1,2,9休廊。9/8(日)は開廊。 

ギャルリー宮脇, Galerie Miyawaki

Takashi Miyagawa 当画廊初個展 Automatic Drawings
宮川隆 作品展「日々の祈り」
自動筆記ドローイング
2019年621日〜713 1PM〜7PM 日・月休

★ 京都新聞美術面に掲載されました(2019年6月29日)→記事を見る

  宮川隆, みやがわたかし  宮川隆, みやがわたかし
     宮川隆(無題 #52)76.5x54.5cm(画像クリックで拡大表示)         宮川隆(無題 #81)76.5x54.5cm(画像クリックで拡大表示)


 1955年宮古島生まれの宮川隆は、グラフィックデザインの仕事のかたわら、1993年頃から自動筆記によるインクドローイングを描きはじめ、祈りを込めながら、日々取り憑かれたように描き続けてきた。「肉体の反応のままに描いてみた」というその作品は、各々に別の宇宙に属するという一本一本のラインを際限なく次々に関係付け、平面に定着するというアクロバティックな所業である。ひたすら紙上に引かれたその文字のような線描は、ケオティックだが美しい無秩序の秩序だ。森羅万象を網羅したかのようなじつに多様な造形世界を結ぶ宮川の作品は、言い知れぬ不思議さを醸し出している。このような景色、形象は、一体どこからやってくるのか!? 何を意味するのか!? 36点展示。
                              →案内チラシを見る(作者からの言葉を掲載しています)

ヨルク・シュマイサー, Jorg Schmeisser, 潮江宏三, ギャルリー宮脇 ■ 記念イベント:<5月24日・金曜・午後7時〜>
  潮江宏三(美術評論家・京都市立芸術大学名誉教授)
   によるギャラリートークを行い、作品を鑑賞し、
       作者を偲ぶささやかな集いを催しました。

Another Side of Jorg Schmeisser, A Posthumous Exhibition of His Paintings, Drawings, Lithographs and Engravings
ヨルク・シュマイサー 遺作展
肉筆作品を中心に
2019年517日〜68 1PM〜7PM 月曜と4/26休廊

ヨルク・シュマイサー, Jorg Schmeisser ヨルク・シュマイサー, Jorg Schmeisser

 精緻、壮麗な銅版画を生涯にわたり創り続けたヨルク・シュマイサー(1942〜2012)。生前あまり肉筆作品は発表しなかったが、世界の様々な地を旅した作者は、オーストラリア荒野の岩山風景、アンコールワット遺跡の風化した女神像、水面の光が反射するベニスの建物、線も尺度も消失した南極氷原の光景・・・など、各地で肉筆画を描いた。一枚の版から様々に異なる雰囲気の刷りを生み出すことにも積極的であった作者は、一つの図像の、微妙な、あるいは劇的な変化を、肉筆と版画の境界なく表現した。対象を見て描くことは、 “世界”の中に居る作者自身の存在を確認する行為だ。南極旅行で氷山に対峙した作者はこう語った―「その姿に対する自分の反応を創ろうと、他のどこにも同じ形では絶対に存在しないその姿を表現しようと考えたんだ。」
 本展は、銅版画家ヨルク・シュマイサーの肉筆作品を中心に展覧する珍しい機会。加えて当画廊で未発表のリトグラフやアクリル板エングレーヴィングなど銅版画以外の作品も出品する。四年半ぶり二度目の遺作展。30点以上展示。
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★ 記念リーフレットには、潮江宏三氏の特別寄稿「希代のジオグラファー、諸大陸を巡る」を掲載しています。
☆ 6月2日まで奈良県立美術館にてヨルク・シュマイサー回顧展「終わりなき旅」が開催。公式図録刊行。
本展のリーフレットを見る
前回の2014年秋の追悼展パンフレットを見る
奈良県立美術館回顧展のチラシを見る

西村一成, Issei Nishimura, 寮美千子, ギャルリー宮脇 ■ 記念イベント:<4月12日・金曜・午後7時〜>
仲野泰生(京都場館長/元川崎市岡本太郎美術館学芸員)によるギャラリートークと寮美千子(作家/2005年泉鏡花文学賞)による書き下ろし詩の朗読パフオーマンスを行い、西村一成の絵を観る・語る、ささやかな集いを催しました。
春爛漫特別企画展
第7回◆◆◆西村 一成 個展 
2018-19 新作絵画とドローイング
西村一成, Issei Nishimura
2019年45日〜427 1PM〜7PM 月曜と4/14休廊

西村一成新作展「ゆめはうつつ」記念イベント
4月12日・金曜・午後7時
西村一成の絵を見る・語る、ささやかな集いを催します。
仲野泰生氏のギャラリートーク、寮美千子氏による詩の朗読を行い、皆様と共に西村一成の作品を鑑賞します。
金曜の夜、どうぞお気軽にご参加ください。(お申し込み不要・無料)


西村一成, Issei Nishimura ニューヨーク拠点の美術批評家で、欧米全域で活躍するエドワード・ゴメズ氏は、西村一成の創作に非常に注目している一人で、最近も次のように評している;
「日本では、西村の作品を評して「自由奔放な」という表現が使われているようだ。アート理論とは無縁で、自己表現を切望する気持ちが強く、激しいという意味だろう。実際、派手で強烈な色合い、人物や植物の尋常ならざる表現など、西村の絵やドローイングを定義するのは難しい。ある絵の中では、男の頭がジャガイモに置き換わっている。またある絵の中では、顔全体が眼球で埋まっている。主題を占めているのは、自己破壊的なオブジェや生き物だ。西村の心象風景にある荒削りなエネルギー、衝動的な創造性は、彼のアートが限りなく表現主義的で可能性に満ちていることを伝えている。偉大な抽象芸術の多くがそうであるように、彼が描くイメージは、見ている我々自身に解釈や省察を促し、幻想の世界へと誘う。西村はかつて、こんな風に綴ったものだ。「僕は日々ひたすら絵を描きつづけている。呼吸し、食べ、排泄し、眠るのと同じようにだ。線は僕の肉体の延長としてうねり、色は僕の精神の明滅を激烈に映し出す」(国書刊行会2018年秋刊作品集「日本のアール・ブリュット もうひとつの眼差し」より)
← 「泣く女」変形キャンバス約130x97cm

西村一成, Issei Nishimura
☆ 本個展記念パンフレット『螺旋階段』第109号を刊行しました。特別寄稿に、仲野泰生氏(京都場館長/元川崎市岡本太郎美術館学芸員)による論考と、寮美千子氏(作家/2005年泉鏡花文学賞)による書き下ろし詩を掲載。ご希望の方には会期末まで無料送付いたしますのでお申し込みください。パンフレットを見る→→→

西村一成略歴/1978年愛知県生まれ。青春期は音楽に親しみ、2000年頃から独学で絵画制作に没頭。06年以降、二科展、シェル美術賞、青木繁記念大賞展等に入選。池田満寿夫記念芸術賞展、宮本三郎記念デッサン大賞展、トーキョーワンダーウォール公募等で入賞。15年FACE 損保ジャパン日本興亜美術賞入選、16年「あいちからの発信/発進―あいちから世界へ」出品。自主発表個展を重ねた後、11年の「絵画=内面の表皮」 ギャルリー宮脇で企画画廊デビュー。以降同画廊で12年「目の中の目」、14年「幻たちのブルース」、16年「ISSEI AND THE DEVIL BLUES」(寄稿:鈴木創士、いしいしんじ)、17年「第5回 西村一成個展」(寄稿:馬場駿吉)、18年「第6回 西村一成個展」を開催。今年2019年はニューヨークにも発表の場を得て、日本人セルフトートアーティストの突出した才能として注目を集めている。

早春の特別企画展
没後30年小牧源太郎展
2019年21日〜32 1PM〜7PM 日月休廊

京都新聞美術面に掲載されました(2018年2月16日)→記事を見る jpg画像/370kb

小牧源太郎, Gentaro Komaki
   図版左より「パット・パルマ No.7」1983年、「エクスーデ No.3」1986年、「景観 No.11」1970年

小牧源太郎は「宇宙空間的時代」と称される晩年、画壇にあって特異な存在感をいっそう際立たせた一方、既存の美術史体系で捉えることのできない絶対孤高のヴィジョンにより、その真価を問われぬまま宙吊りになってきた。あくまで「根源的非合理性」を追究し、到達不可能の実証というパラドックス的創造過程を発見し、それを厳格に実践し、そして小牧源太郎は遂にいかなる絵画の類型からも免れる位置に立ったのであった。小牧源太郎の没後30年の今、私たちもこの画家と同じく勇敢に、理解するということを超克し、未知に臨む冒険的眼差しを持たなければならない。
小牧源太郎の戦前シュルレアリスム期の代表作の一つで、ダリの偏執狂的批判的方法による絵画を彷彿させる「フェチッシュな風景」、民俗学的主題の「道祖神図」「千人びな」をはじめ、シルエット、アンフォルメル、精霊、卵型、母胎、日輪相、眼といった小牧源太郎の主要主題/作風を網羅し、《カリファ人間》の群れを配する60年代末以降の「景観」「春蕩」「パット・パルマ」「エクスーデ」等も含む20点を展覧。

                                →クリックすると小牧源太郎展案内チラシを表示します。

                                 →クリックすると小牧源太郎資料ページを表示します。

尚、京都府文化博物館でも3月3日まで総合展示室にて小牧源太郎展を開催。シュルレアリスム期の代表作で京都市美術館所蔵の「民族系譜学」「民族病理学(祈り)」「多義図形」を含む晩年までの厳選20点と関連資料が出品されました。

小牧源太郎展会期中、2Fギャラリーにて常設展示を併設。
  西脇直毅、黒須信雄、山中現、西村一成、齊藤彩、宮川隆、山下壮らによる合計20余点と、
 鴻池朋子「素焼粘土」一群を展示。


ギャルリー宮脇が近年新たに紹介している作家を中心に構成する “特別な” 常設展
THE ESSENCE
2018年1113日〜1215 1PM〜7PM
休廊日=日,月,祝および11/24、ほか臨時休廊日要問合せ

The Essence, ギャルリー宮脇, Galerie Miyawaki
2018年春、当画廊は先代の創業から60年、螺旋階段のある画廊ビル開廊45周年を迎えました。普段は現代作家の個展企画が中心ですが、多様で独創的な扱い作家群の作品を一堂に見ていただくことのできる「常設展示」は、ユニークな当画廊のテイストを味わっていただく好機です。画廊の本質が表れるこの“特別な” 常設展をThe Essenceと名付け、緩やかなテーマ性を打ち出すよう展示作品を選びながら、今後も折々に開催していく予定です。60年の歴史のうちに、当画廊も時代に応じた変化を遂げる必然性がありましたが、The Essenceでは、画廊の審美意識の柔軟さと一徹さも感じ取っていただければ幸いです。


←クリックすると案内ちらしの両面を拡大表示できます。

     出品作家
     齊藤彩(Aya Saito 1981- ペインティング on Paper)
      西村一成(Issei Nishimura 1978- ペインティング)
       西脇直毅(Naoki Nishiwaki 1977- ボールペン画)
        谷本光隆(Mitsutaka Tanimoto 1974- コラージュブック)
         黒須信雄(Nobuo Kurosu 1962- ペインティング, 木彫)
          鴻池朋子(Tomoko Konoike 1960- 革/陶作品, ドローイング)
           宮川隆(Takashi Miyagawa 1955- ペン画)
            山下壮(So Yamashita 1953- 色鉛筆画)
                  and 黒崎彰(Akira Kurosaki 1937- 水彩 in1965)
 
       以上9作家の作品65点を展示する特別な常設展です。


ESSENCE, ギャルリー宮脇

黒崎彰, ギャルリー宮脇
作者による特別講演
2018年10月27日午後3時半〜(終了しました・満員御礼)


  黒崎彰
  「イメージのカオス・1965年」

講演終了後は新刊著書「世界版画全史」のサイン会を催しました。
著書「世界版画全史」出版記念
黒崎 彰 展「イメージのカオス・1965年」
2018年1012日〜113 1PM〜7PM 日・月定休

◆10月27日午後3時半〜作者講演会&サイン会を催しました。満員御礼。

黒崎彰, Akira Kurosaki
木版画の世界的巨匠である黒崎彰(1937年生まれ、京都市在住、精華大学名誉教授)。中学一年生のときに芦屋の新制作洋画研究所を訪ね本格的な絵の勉強を始めたが、やがて小磯良平、小松益喜、伊藤継郎らのフランス風モダニズム志向の強い指導に違和感を持つようになった。1965年にはそれまでに制作した油絵やデッサンの大半を自ら廃棄した。しかし一群の水彩画が手元に残された。それは「煉獄」「漂泊の風景」と題された約40点で、黒崎が写生油彩画と決別して内的な写実表現のあり方を探った最初の作品である。そして直後にこれら主題を翻案した単色の木版画連作を制作し木版画家としての第一歩を踏み出した。黒崎はこのときにゴーギャンやムンクの木版画の意味するところをにわかに身近に感じ理解することが可能になったと言う。1970年には代表作「赤い闇」を発表し、以後50年にわたって現代版画の先導者としてめざましい活躍を繰り広げることとなった。本展は1965年の水彩連作と単色木版画、その他の貴重な初期作品を展観し、黒崎彰の知られざる創造の原点をご覧いただく貴重な機会である。今日まで秘蔵されてきた水彩画はすべて本展が初出となる。全約40点出品。

←クリックして案内ちらしの両面を拡大表示


黒崎彰 略歴 京都市在住/1937年満州生まれ/62年京都工芸繊維大工芸学部意匠工芸学科卒/70年東京国際版画ビエンナーレ・文部大臣賞/81年第3回ソウル国際版画ビエンナーレ・大賞/81〜87年京都工芸繊維大教授/87〜2007年京都精華大教授、現在名誉教授/92年ノルウェー・オスロ・ムンク財団ムンク研究助成/94年中信京都美術文化賞/99年京都府文化功労賞/2000年紫綬褒章受章/02年京都市文化功労賞/08年瑞宝中綬章受章/17年京都府文化賞特別功労賞/その他 国際コンクール受賞、国内外美術館収蔵、著作多数/18年8月に「世界版画全史」(阿部出版刊、本体価格3,000円)を出版。

黒崎彰, Akira Kurosaki  黒崎彰, Akira Kurosaki  黒崎彰, Akira Kurosaki

"THE ESSENCE"
ギャルリー宮脇の常設作品特別展示
2018年94日〜929 1PM〜7PM 日・月定休(祝日でも月休です)


ギャルリー宮脇 黒崎彰(Akira Kurosaki 1937- ペーパーワーク)

ローズマリー・コーツィー
   (Rosemarie Koczy 1939-2007 ドローイング, 木彫)

ブルーノ・レティ(Bruno Leti 1941- ペインティング, モノタイプ)

*山下壮(So Yamashita 1953- 色鉛筆画)

山中現(Gen Yamanaka 1954- ペインティング)

クリスティーヌ・セフォロシャ
   (Christine Sefolosha 1955- モノタイプ, 色鉛筆ドローイング)

*宮川隆(Takashi Miyagawa 1955- ペン画)

*鴻池朋子(Tomoko Konoike 1960- 革と陶の作品, ドローイング)

黒須信雄(Nobuo Kurosu 1962- ペインティング, 木彫)

*谷本光隆(Mitsutaka Tanimoto 1974- コラージュブック)

西脇直毅(Naoki Nishiwaki 1977- ボールペン画)

西村一成(Issei Nishimura 1978- ペインティング)

*齊藤彩(Aya Saito 1981- ペインティングon Paper)

*印は、個展企画前の新規紹介作家です。当画廊初出の作品を含みます。

ベテランから新進、未発表作や新作家紹介も含む、
多様で個性的な取り扱いラインナップによる、
見ごたえある “特別な” 常設展です。
50余点展示。

ギャルリー宮脇は ART OSAKA 2018 に出展いたしました
出品作家:鴻池朋子/谷本光隆/クリスティーヌ・セフォロシャ/西脇直毅

↓ バナーをクリックして案内カードを見る ↓
ART OSAKA 2018, 鴻池朋子, セフォロシャ, 谷本光隆, 西脇直毅

ART OSAKA 2018, アート大阪, 鴻池朋子  ART OSAKA 2018, アート大阪, 鴻池朋子, セフォロシャ, 谷本光隆  ART OSAKA 2018, アート大阪, 鴻池朋子, セフォロシャ, 谷本光隆, 西脇直毅

スイスの夢幻画家
Swiss Artist, Christine Sefolosha, The First Solo Exhibition in Japan at Galerie Miyawaki

クリスティーヌ・セフォロシャ 日本初個展
 2018年6月1日(金)〜6月30日(土)
 1PM〜7PM 日月休廊
京都新聞6月16日美術欄展評トップに取り上げられました(小吹隆文筆)→記事を見る

クリスティーヌ・セフォロシャ, Christine Sefolosha
動物、人間、植物、鉱物が、種の境界を超えて重なり合う不思議なイメージ。謎に満ちた創造の深淵に本能的に降り立ち、人間が内奥に秘める始原的ヴィジョンを、まるで影絵のように浮かび上がらせるクリスティーヌ・セフォロシャ。現代ヨーロッパを代表するヴィジョナリー・アーティスト(幻視芸術家)として、とくにアウトサイダー・アートの文脈で名を知られてきた。見えないものを見えるようにする絵画の方法は「幻視」というにふさわしいが、クリスティーヌ・セフォロシャの特異な創造性は、夢や旅などあらゆる人生の経験と現実を通して育まれてきた。待望の日本初個展となる本展のリーフレットには、アウトサイダー・アートという呼称の生みの親で、シュルレアリスム研究者でもある美術史家ロジャー・カーディナルによる含蓄ある作者短歴を、近年刊行された画集序文から和訳転載している。モノタイプ技法を多用して出現するイメージも興味深いを30点以上のワークス・オン・ペーパーを紹介する。

★ 記念リーフレットを見る/読む

←「鹿になった自画像」2013年 木炭 92x66cm


Christine Sefolosha クリスティーヌ・セフォロシャ略歴/1955年スイス生まれ。1975〜1982年南アフリカに居住。1988年ローザンヌで初個展。90年代以降、パリ、シカゴ、ニューヨークなどでも個展発表。アル・サンピエール(フランス)、ムゼウム・イム・ラガーハウス(スイス)、アメリカン・ヴィジョナリーアート・ミュージアム(アメリカ)といったアウトサイダーアート系の主要な研究展示機関でも紹介されてきた。2015年に大部のモノグラフ「Timeless Wanderer(永遠の彷徨者)」を出版。現在レマン湖畔で創作に勤しむ。
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Christine Sefolosha, クリスティーヌ・セフォロシャ   Christine Sefolosha, クリスティーヌ・セフォロシャ   Christine Sefolosha, クリスティーヌ・セフォロシャ
↑「歩く木」2017年 モノタイプ, 色鉛筆 58x83cm 「赤ずきん」2015年 モノタイプ, 色鉛筆, クレヨン 40x40cm ↑ 「聖エリギウス」2016年 98x70cm モノタイプ、色鉛筆 ↑

京都新聞4月21日美術欄展評トップに取り上げられました(小吹隆文筆)→記事を見る
猫だらけ!驚異のボールペン画
Naoki Nishiwaki - The 2nd Solo Exhibition at Galerie Miyawaki

西脇直毅 新作展
 2018年4月12日(木)〜5月19日(土)
 1PM〜7PM 日月休廊および 4/29〜5/7連休

西脇直毅, Naoki Nishiwaki
2年前に当画廊にて驚異的なボールペン画による個展デビューを飾った西脇直毅。遠目には何某か朦朧とした銀河のような抽象形態に見える画面は、接近するとそこに極めて精緻に描かれたネコ文様や縄目文様の無限増殖が顕となって、まさに「驚異の」と呼ぶにふさわしいミクロコスモスが織りなす西脇直毅ワールドが出現する。根気強く正確な描画力はもちろん、ディテイルの限定的モチーフが形づくる全体的形態の多様さ、内部構造の複雑さ、さらに、瑞々しい感性迸る色彩の配列、ペン先の線描押圧が生む凹凸が呈する三次元的形相・・・そこには見るものを悠久の視覚冒険へと誘う西脇直毅の深遠な世界観が立ち現れている。ハガキサイズ小品から全紙大作まで、初個展以降もさらなる展開のつづく新作約40点を発表。

      ★ 案内チラシを見る/読む


西脇直毅略歴/1977年大阪府生まれ。2002年成安造形大学(滋賀)卒業。2007年岐阜県立情報科学芸術大学院大学(IAMAS)修了。2009年よりボールペンによる絵画制作に専念。2012年「大阪府現代アートの世界に輝く新星発掘プロジェクト」最優秀賞。13年同展特別賞連続受賞。2015年国際芸術コンペティション「アートオリンピア」審査員(建畠晢)特別賞。埼玉県立近代美術館ほか巡回「すごいぞ、これは!」展に建畠晢氏の推薦で出品。2016年4月にギャルリー宮脇でデビュー個展。2017年2月Art in Park Hotel Tokyoで小牧源太郎との二人展。2017年12月よりケルンを皮切りとする国際交流基金の海外巡回展「超絶技巧の日本」展に出品。

各画像をクリックすると別ウィンドウに拡大画像が表示されます。

西脇直毅, Naoki Nishiwaki   西脇直毅, Naoki Nishiwaki   西脇直毅, Naoki Nishiwaki

ISSEI NISHIMURA
THE SIXTH SOLO EXHIBITION AT GALERIE MIYAWAKI, SIXTH SENSE

西村一成 個展
 2018年2月8日(木)〜3月3日(土)
1PM〜7PM 日月曜休廊

直感、衝動、第六感によって掘り出される人間像。           
           当画廊未発表であった近作の優作と新作による第六回個展。

西村一成, Issei Nishimura   西村一成, Issei Nishimura   西村一成, Issei Nishimura

描くことについて/西村一成
僕は日々ひたすら絵を描きつづけている。呼吸し、食べ、排泄し、眠るのと同じようにだ。線は僕の肉体の延長としてうねり、色は僕の精神の明滅を激烈に映し出す。それは世界との直感的な交錯によって瞬発的に繰り出される。描きあげた末に僕は疲れ果てて倒れ込む。そのとき絵は、僕と不可分な、一人の人間のナマの姿だ。しかし決して個人的な表現として完結はしない。人は抗うことのできない天変地異の世界を生き抜いているが、いかに時空的に隔たっていようとも、その波動は今ここに伝わってくる。僕にできることといえば、その波を感受し、祈ることしかない。だから僕の絵の中に彫り出される図像は、祈らずにいられない根源的衝動が形づくる現実だ。どんな状況であれ、人はこの世界を必要としている。僕も日々ひたすら世界を感じつづけている。僕自身と、そして誰かの生(せい)のために。
                                 ★ 案内チラシを見る/読む

★ 英文レビュー記事和訳(PDF1.5MB)
★ 西村一成 Paintings2013-2014 オンラインカタログ

Nobuo KUROSU solo exhibition 2017

黒須 信雄
2017年12月5日(火)〜24日(日)
1PM〜7PM 会期中月曜のみ休廊 <初日夕刻と二日目に作者在廊>

黒須信雄, Nobuo Kurosu    黒須信雄, Nobuo Kurosu    黒須信雄, Nobuo Kurosu

物質を通してしか現れないにもかかわらず、非物質の世界を表す「顕現としての絵画」を追究してきた黒須信雄
美しい織物のように集積し増殖する無限の筆触は、微細な振動によって粒立った表面が渦を成して螺旋状に上昇
下降するような眩暈を引き起こす。驚異的なまでに丹念精密に描かれる造形的文様は、図像を表すために為され
た<実>の表現ではなく、<虚>の存在を意志することを見る者に喚起する。<虚>の側に在る“未出現”のもの
は、絵具に触れる度にその痕跡を残しながら絵画の深奥へとその本質を隠しつづける。存在の彼方に有りもしな
いものを透視するアニミズム的、神道的思考によって存在形式を転換するこれら絵画は、「未だ然らず」の状態
の磁場であり、見る者の意志が介在することによって絵画として“顕現”するのである。
この形而上学的な絵画理論は、「夜良比(やらい)」と題された本展出品の2016-17年新作の大小作品すべてに
等しく貫かれている。100号2点含む新作アクリルペインティング20余点と連作木彫「虚裔(うつろのちすじ)」
を発表する待望の関西初個展。
   (作品画像は左より「夜良比No.32」60.5x50cm、「夜良比No.26」65x50cm、「夜良比No.39」53x45.5cm)


・・・存在の根元と窮極に関わる限り、絵画も亦無限の謎であり続ける。その謎に翻弄され続けることは
 いつしか<私>なるものを何処かへと放逐させて了う。かくして、不可能性の彼方で意志は非意志と結ばれる。

                                  (本個展に寄せられた作者テクストより)

                                    →→→ 作者テクスト掲載のパンフレットを見る

Gen YAMANAKA solo exhibition 2017

山中 現
2017年11月7日(火)〜26日(日)
1PM〜7PM 会期中月曜のみ休廊 <初日作者在廊>

山中現, Gen Yamanaka   山中現, Gen Yamanaka   山中現, Gen Yamanaka

新美南吉作「ついていったちょうちょう」絵本原画ほか、2014〜17年の     
     新作版画・モノタイプ・油絵と未発表の水彩人物デッサン、全40点。

 淡くも暖かみある色差を抑えた多色刷り木版画が人気の高い山中現。抽象と具象のはざまに、時間と存在のシンボルとしての「カタチ」がコンポジションされた作品は、みずみずしい詩情を湛えている。表された地と空は、どこまでも遠く広く感じられ、私たちを安堵と不安の境界に佇ませる。
 作者は昨年、そんな心境にも通じる新美南吉作「ついていったちょうちょう」の絵本を出版した(星の環会刊)。赤い風船と白い蝶が青い空を飛んでいき、やがて彼方に消えてゆくというお話だ。名前のない抽象的形象ではなく、お話の通りの対象を絵に表す仕事は、作者を新しい境地に導いた。
 具象的主題は、東日本大震災の折、そのショックで木版の制作に手がつかなくなったときに、子どもや自分の幼少期の写真を見て水彩を描いたことも一つのきっかけであったという。その素朴な描線には、深い人間愛が込められている。これまでは、不在のイメージに人の存在が強く暗示されるような作品を創ってきたが、今回の発表作では、人間や小動物、樹々など命あるモチーフが多く登場する。
 新美南吉作「ついていったちょうちょう」の絵本原画ほか2014〜17年の新作版画・モノタイプ・油絵と未発表の水彩人物デッサン、全35点を展覧。
◆2017年10〜11月の<2F常設ルーム> ローズマリー・コーツィー ブルーノ・レティ 黒崎彰 山中現
黒須信雄 鴻池朋子 西脇直毅 小幡正雄 ミシェル・ネジャー フランチェスコ・クレメンテらによる
作品三十余点を出品いたしました。

BRUNO LETI - ASSONANCES
オーストラリア現代絵画の重鎮による故郷イタリア回帰の新作展
ブルーノ・レティ展「ASSONANCES」
2017年10月7日(土)〜29日(日)
1PM〜7PM 会期中月曜と15日・22日の日曜休廊(初週と最終日の日曜は開廊)

Bruno Leti, ブルーノ・レティ   Bruno Leti, ブルーノ・レティ   Bruno Leti, ブルーノ・レティ

   「現代と古代のあいだで時間は永遠に停止し、神話的なるものとも響き合う。
       そこにこそ、レティの芸術の尽きせぬ魅力があるのだ。」(岡田温司寄稿結びより)

ブルーノ・レティBruno Leti 1941〜 イタリア生まれ)はメルボルンを拠点に活動し、ペインティングとモノタイプを主たる表現技法に用いるオーストラリアのたいへん著名な画家。本展に付されたタイトル《ASSONANCES》は「類音」の意。空間的・時間的・視覚的な旅を通じ、様々な文化、記憶、感触などが、画家の精神の中で響き合い溶け合って、新しいけれどもどこか懐かしい響きで奏でられる音楽のような作品が制作された。2005年の日本初個展以来、四度目の来日展となる本展では、ペインティング、モノタイプ、グワッシュ画、版画など30点を発表。老境に入った巨匠画家ブルーノ・レティの、イタリア回帰とモランディへの傾倒を顕著に感じさせる最新作を発表する。初日作者来日。
記念パンフレットには、京都大学大学院教授でモランディ研究も知られる岡田温司氏による特別寄稿「追憶のイタリア〜ブルーノ・レティ展に寄せて」を掲載。またブルーノ・レティ自身による《ASSONANCES》と題された創作ステートメントも併載。図版13点全カラー。
                               →→→ 記念パンフレットを読む

Rosemarie Koczy 1939〜2007
ホロコーストのトラウマを生き抜いたアーティスト
没後10年
ローズマリー・コーツィー展「死を超えて」
2017年9月2日(土)〜24日(日)
1PM〜7PM 会期中月曜と10日・17日の日曜休廊(初週と最終日の日曜は開廊)

Rosemarie Koczy, ローズマリー・コーツィー   Rosemarie Koczy, ローズマリー・コーツィー

ローズマリー・コーツィー(Rosemarie Koczy¨ 1939〜2007)はドイツに生まれ、60年代にスイスで美術を学び、80年代にアメリカに移住した美術家。前衛的な立体繊維造形の作家として頭角を現し、まずペギー・グッゲンハイムにその才能を見出された。一方で、独特異様な人物像が、震えるような線のストロークで描かれたインク・ドローイングが、ジャン・デュビュッフェに注目され、アール・ブリュットに近しい創造者としても紹介された。3歳でナチ強制収容所に囚われた悲惨な体験と、そのトラウマによって生涯見つづけた悪夢を源泉にした、痛々しくも美しいデッサンは、一万数千点におよび、彼女はこれらの作品すべてに「わたしはあなたたちに経帷子を織ってあげる」と名付けた。見る者の心に鋭く深く突き刺さってくるそのイメージは、過去の戦争の惨禍の追想ではなく、生涯にわたって彼女の心を震わせ続けた「現在」であった。私たちがここで体感するのは、美術作品から直にリアルに発せられる衝撃だ。日本初個展から8年ぶりとなる没後十年の追悼展で、アクリル・ペインティングの大作、木彫レリーフ、パステル画、インク・ドローイングを出品し、技法を横断しながら一貫した衝動によって織り上げられたローズマリー・コーツィーの創造活動を概観する。記念パンフレットを刊行。単行作品集、関連図書も販売。
                               →→→ 記念パンフレットを読む
アール・ブリュット, Art Brut, 杉村昌昭, 鈴木創士, ギャルリー宮脇 アール・ブリュット, Art Brut, 杉村昌昭, 鈴木創士, ギャルリー宮脇
ミシェル・テヴォー原著・新刊邦訳
アール・ブリュット 野生芸術の真髄
(杉村昌昭訳、人文書院刊)
出版記念・特別対談

杉村昌昭 × 鈴木創士
『野生芸術の創造力』
2017年9月2日(土)午後3時〜
(終了しました・満員御礼)
ローズマリー・コーツィー展と同時開催
ミシェル・テヴォー原著『アール・ブリュット 野生芸術の真髄』(杉村昌昭訳、人文書院刊)出版記念
アール・ブリュット作品特別展示
古典的名著『L'ART BRUT アール・ブリュット』にも取り上げられているアール・ブリュット史上の重要作家、著名作家、また近年発見されたアール・ブリュットの新作家、そしてアール・ブリュットの概念のさらにマージナルな一群 Neuve Invention ヌーヴ・アンヴァンシオンの作家を含む、日本では他所で見ることのできない貴重な展示です。
下記の総勢20余名の作者による40点以上を出品。

ハンス・クルージー Hans Krusi 1920〜1995 スイスアール・ブリュット, ART BRUT
アンドレ・プルー Andre Prues 1967〜 ベルギーアール・ブリュット, ART BRUT
ヨハン・フィッシャー Johann Fischer 1919〜2008 オーストリアART BRUT
ヨハン・ガーバー Johann Garber 1947〜 オーストリアアール・ブリュット, ART BRUT
ガストン・トゥシェール Gaston Teuscher 1903〜1986 スイスART BRUT
アンナ・ゼマーンコヴァー Anna Zemankova 1908〜1986 チェコART BRUT
マッジ・ギル Madge Gill 1882〜1961 イギリスアール・ブリュット, ART BRUT
ジョヴァンニ・アブリニャーニ Giovanni Abrignani 1899〜1977 イタリア
ウシ・ポンプ Uschi Pomp 1959〜 ドイツアール・ブリュット, ART BRUT
マルタ・グリュネンヴァルト Martha Grunenwaldt 1910〜2008 ベルギー
イグナシオ・カルレス=トルラ Ignacio Carles-Tolra 1928〜 スペイン
ドワイト・マッキントッシュ Dwight Mackintosh 1906〜1999 アメリカ
フランソワ・ビュルラン Francois Burland 1958〜 スイスART BRUT
ジェラール・サンドレイ Gerard Sendrey 1928〜 フランスART BRUT
F.S-ゾンネンシュターン Friedrich Schroder-Sonnensternアール・ブリュット
ヨーナス・オイゲン・コンラート Jonas Eugen Konrad 1953〜 スイスART BRUT
アンドレ・ロビヤール Andre Robillard 1931〜 フランスアール・ブリュット
フェルディナン・シュヴァル(写真) Ferdinand Cheval 1836〜1924 フランス
写真家/クロヴィス・プレヴォー Clovis Prevost 1940〜 フランス
ミシェル・ネジャー Michel Nedjar 1947〜 フランスアール・ブリュット, ART BRUT
桑原敏郎 Toshiro Kuwabara 1953〜2014 日本アール・ブリュット, ART BRUT
小幡正雄 Masao Obata 1943〜2010 日本アール・ブリュット, ART BRUT

終了しました ★ 満員御礼 ★ 会期初日の9月2日(土)午後3時〜
アール・ブリュット特別対談/杉村昌昭 × 鈴木創士『野生芸術の創造力』


京都府文化賞特別功労賞受賞記念展
黒崎彰
2017年7月1日(土)〜7月23日(日) 1PM〜7PM 会期中月のみ休

黒崎彰, Akira Kurosaki   黒崎彰, Akira Kurosaki   黒崎彰, Akira Kurosaki
図版左より「近江八景の内 粟津の晴嵐(2010)」「赤い闇4(1970)」「時の軌跡(1981)」

木版画の国際的巨匠・黒崎彰の平成28年度京都府文化賞特別功労賞受賞を祝う記念個展。木版画と紙漉きの技術的・精神的伝統を追究し、人間存在の深淵を表す革新的な表現に到達した作者の半世紀におよぶ仕事を代表作で辿ります。ペーパーワーク最近作を含む約50点を展覧。

「・・・氏の発表の経緯をたどるとき、そこに通奏低音のように響いているのが、むしろ近代性を批判し、相対化しようとする態度ではないか・・・近代的な普遍性を志向するのでなく、カリグラフィックな筆触や紙の素材感といった、アジア的な風土性を強調するのも、それに繋がる態度だろう・・・60年代は横尾忠則や土方巽にみられるように、前近代的・土俗的な表象が近代批判の態度として注目された。氏の表現はこうした動向と繋がっていたのだと思う。それを内在化させ深化させながら制作を継続してきたことが、変貌を重ねながらもその作品世界を首尾一貫したものにし、その成果を今日も意義あるものにしているのである。」(記念リーフレット掲載、野口玲一氏による寄稿「黒崎彰の芸術、その反近代性」より抜粋)
                               →→→ 記念リーフレットを読む

 『新しい備前 伊勢崎淳の陶芸』出版記念展(監修・著/巖谷國士 山陽新聞社刊)
伊勢崎 淳 個展       
  「現代美術としての備前焼」

2017年5月13日(土)〜6月11日(日) 1PM〜7PM 会期中月のみ休

伊勢崎淳, Jun Isezaki   伊勢崎淳, Jun Isezaki   伊勢崎淳, Jun Isezaki
作品写真左より「風雪」 H65cm、「魑魅魍魎」H61cm、「クレイ・ボール」H50cm

備前焼の人間国宝である伊勢崎淳(1936〜)は、革新による伝統の再生と創出をめざし、斬新な陶オブジェ作品を創作し続けてきました。伊勢崎淳作品の、形態自体が自然または物質そのものと呼べるようなプリミティブな在り様は、素朴さを湛えながらも造形の巧と深い精神性を感じさせます。本展は伊勢崎淳作品の "オブジェ" 性に注目し、現代美術として展覧する企画です。画廊1Fフロアでは陶オブジェ群によるインスタレーションを行い、他にも卓上サイズのオブジェ作品を出品いたします。
                                      案内ちらしを見る

5月13日午後3時〜オープニングイベント★巖谷國士講演会「現代美術としての備前焼」を催します。
【終了しました。満員御礼】作者も来場し講演後はサイン会を行いました。

講演会情報を見る

生起と消滅のあわいに・・・
椿大樹版木による木口木版画と水干絵具によるドローイング
齋藤修 個展「宇宙へ・・・II」
2017年4月8日(土)〜4月23日(日) 1PM〜7PM 会期中月のみ休

齋藤修, Osamu Saito
水晶と宇宙に心象的光景を映す木口木版画で知られる齋藤修(1946〜 京都府在住 日本版画協会会員)の三年振り地元個展。木口木版画新作「Neverland Chaos」や青の水干絵具によるドローイング最新作「Blue Byond Blue」など、約30点を発表。木口木版による作者独創のモノクロームの宇宙は、新たな画材による表現法を得て、青い光を放ちつつ、その幻視的時空世界を無限に膨張させている。


齋藤修, Osamu Saito
4月◆齋藤修展開催中の<2F常設ルーム> 小牧源太郎 黒須信雄 鴻池朋子 西脇直毅 西村一成
アンナ・ゼマーンコヴァー ブルーノ・レティ ミシェル・ネジャー フィリップ・ザクサー
らによる作品三十余点を出品いたしました。


第5回個展 西村一成 新作展 Selected Paintings 2016
2017年 2月25日 (土) 3月19日(日)1PM〜7PM 月のみ休廊 

馬場駿吉氏のテクストを掲載した個展リーフレットを見る
西脇直毅, Naoki Nishiwaki
西村一成は、日々“生”の全エネルギーを創造に注ぎ込んでいる。描くことへの情熱がいつもグツグツと煮えたぎっている。まるで荒ぶる大地の裂け目から噴き出すマグマのようにだ。彼は野蛮さと壊れやすさを同時に兼ね備えている。その創造は本能的で、作品には彼の極めてセンシティブな精神の震えが直接的に流露している。感情→行為→物質のオブジェと化した絵画はまるで「生のままの芸術」の衝撃だ。予測不可能な生の一瞬への、避けることのできないリアクション=クリエイションの、絶え間なく押し寄せてくる波動を全身全霊で受けとめて、画家は今日も描き続けている。本展はギャルリー宮脇における5回目の個展。新作ペインティング25点を発表します。

西脇直毅, Naoki Nishiwaki
西村一成略歴
1978年生まれ。愛知県生まれ、名古屋市在住。
池田満寿夫記念芸術賞佳作、青木繁記念大賞展、シェル美術賞展(以上07年)、リキテックスビエンナーレ(08年)、トーキョーワンダーウォール(09年、13年は入賞)、宮本三郎記念デッサン大賞展(11年、13年も)、愛知アーツ・チャンレンジ(12年)、FACE損保ジャパン日本興亜美術賞展(15年)等々、数々のコンクールに入選・受賞。
ギャルリー宮脇での個展は「絵画=内面の表皮」(2011年)「目の中の目」(2012年)「幻たちのブルース」(2014年)「ISSEI AND THE DEVIL BLUES」(2015〜16年、同タイトル個展は名古屋栄、東京銀座でも各々規模と内容を異にして連続開催)

←2016年10月「あいちからの発信/発進―あいちから世界へ」名古屋市民ギャラリー矢田での連作「叫び」展示の様子(50号4点と40号Sの連作)

旧作ギャラリー→★ 西村一成 Paintings2013-2014 オンラインカタログ



2017.2.11-12 東京汐留のパークホテルにて開催されたアートフェアAiPHT2017に出展しました。
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小牧源太郎(1906-1989 京都)西脇直毅(1977- 大阪)

2018年春に創業60周年を迎えるギャルリー宮脇が、時代を超え、衝撃的ともいえるクリエイティビティで
唯一無二の世界観を表現する新旧2名の作家を関西から紹介。

小牧源太郎, Gentaro Komaki
戦前、日本におけるシュルレアリスム絵画の代表的傑作を生んだ小牧源太郎。その後、仏教や土俗的・民俗学的な主題を取り上げ、日本に固有の精神世界を追究した。さらに独自の宇宙論的世界観を表す奇想かつユーモラスな画風を展開し、生涯を通じて孤高・異貌の画業を歩んだ。その美学は時代性を超越している。小牧源太郎は、“個”と大宇宙のヴィジョンを同時に、等価に、絵画に表現する稀有な造形力をそなえた天才であった。代表的主題はいつも大作で制作されたが、当フェアは同主題による小品群を紹介する貴重な機会。
→小牧源太郎特設ページへ
西脇直毅, Naoki Nishiwaki
2016年春の当画廊でのデビュー個展で成功を収めた西脇直毅。無限増殖するネコ文様や縄目が画面を埋め尽くす驚異の「ボールペン画」は大きな注目を集めた。驚かされるのはオブセッショナルな常同反復の無類さだけではない。自在に生長する縄目の渦の自然で伸びやかな様。一匹一匹が異なる表情をしたネコたちの各々にポーズをとる可愛らしさ。またそこに異種の動物が紛れ込んでいるのを見つける楽しみ。カラーペンを用いれば目にも綾なる色彩世界が紡ぎ出される。豊かな才能とポエジーに満ちあふれた新鋭、当フェアで都内初登場。

デビュー個展パンフレット『螺旋階段』第104号・西脇直毅初個展特集
建畠晢氏による特別寄稿掲載→紙面画像を見る


メゾチント技法の第一人者による新作発表と秀作選
坂爪厚生銅版画展
 2016年 12月3日(土)〜 12月18日(日)
1PM〜7PM 月曜休廊

メゾチント技法による銅版画で知られる坂爪厚生。「シャツの劇場」と銘打たれた最新シリーズでは、デジタル化された情報の氾濫する時代にあって人間の本性にあるべき野性が希薄化されていく情況を可視化し、非常にシニカルな視点を携えながら奇怪かつユーモラスなイメージを展開しています。本展ではこの他にも、内実を喪失した仮想のネット世界を表した前シリーズの京都未発表作や、70年代から80年代にかけて制作された「キューピー」シリーズなど初期代表作も併せ、全三十余点を展覧。坂爪厚生のギャルリー宮脇における四年半ぶりとなる京都での個展。
  ↑ イメージをクリックでチラシ両面を拡大表示         → 坂爪厚生ギャラリー(旧ページ)

巖谷國士, 講演会 シュルレアリスム
★ 巖谷國士 特別講演会 11月19日(土)午後3時〜
「絵画のシュルレアリスム
     アンドレ・ブルトン再発見」

[終了いたしました]
シュルレアリスム研究の第一人者/実践家である巖谷國士氏の
ギャルリー宮脇における第4回目の特別講演会。
★巖谷國士 at ギャルリー宮脇の紹介ページ★
アンドレ・ブルトン生誕120年/没後50年記念展★
シュルレアリスムと絵画」
 2016年 11月1日(火)〜 11月19日(土)
1PM〜7PM 月曜休廊
★ 但し、11月19日午後3〜5時の講演会開催中は有料参加者のみの入場となります。ご了承下さい。
シュルレアリスムの中心にいた作家群はもちろん、シュルレアリスムの萌芽・周縁を成す創作物にまで広く眼差しを投じたアンドレ・ブルトンの大著『シュルレアリスムと絵画』。そこで取り上げられた画家たちのオリジナル版画を主に、肉筆画、挿画本、写真なども加え、下記の総勢19作家による41点を展示。

ジョルジョ・デ・キリコ Giorgio de Chiricoシュルレアリスム
S.W.ヘイター Stanley William Hayterシュルレアリスム
サルバドール・ダリ Salvador Daliシュルレアリスム
マン・レイ Man Rayシュルレアリスム
ジョアン・ミロ Joan Miroシュルレアリスム
マックス・エルンスト Max Ernstシュルレアリスム
ロベルト・マッタ Roberto Mattaシュルレアリスム
エンリコ・バイ Enrico Bajシュルレアリスム
ヴィフレド・ラム Wifredo Lamシュルレアリスム
アンドレ・マッソン Andre Massonシュルレアリスム
イヴ・タンギー Yves Tanguyシュルレアリスム
ルネ・マグリット Rene Magritteシュルレアリスム
ヴィクトル・ブローネル Victor Braunerシュルレアリスム
F.S-ゾンネンシュターン Friedrich Schroder-Sonnensternシュルレアリスム
ギュスターブ・モロー Gustave Moreauシュルレアリスム
ワシリー・カンディンスキー Wassily Kandinskyシュルレアリスム
フェルディナン・シュヴァル Palais ideal du facteur Chevalシュルレアリスム
クロヴィス・プレヴォー Clovis Prevostシュルレアリスム
アンドレ・ブルトン Andre Bretonシュルレアリスム
★会期最終日の11月19日(土)午後3時〜 巖谷國士氏による記念講演があります。要申し込み→詳しい情報

画集『池田良二 アートワーク 1975-2016 静慮と精神の息吹』出版記念
池田良二 銅版画展
 2016年 10月1日(土)〜 10月23日(日)
1PM〜7PM 10/3, 11, 17 休廊
★ 記念パンフレット『螺旋階段』第106号特集刊行、特別寄稿掲載 建畠晢「静謐なる闇と光のドラマ」→紙面画像を見る
★ 記念レセプション&サイン会:10月8日 午後5時〜7時(画集は会場で販売いたします)
池田良二, Ryoji Ikeda

 日本を代表する版画家として国際的に活躍する池田良二(1947年生まれ、武蔵野美術大学教授)。北海道根室を出自とする作者は、1980年代末、岬に廃墟となって遺された旧落石無線局を改修してアトリエとし、その特殊な時空、磁場をイメージに捕らえてきた。近年は、さらに周辺の自然風景へと視線を拡げ、土地の霊性と深く関わっている。

 作者の主技法であるフォトエッチングは、写真がイメージの起点を成すが、そこに内的なヴィジョンが複雑に織り重ねられていく過程が介在する。強いマチエールは、普遍化された場所性と、作者の精神性の刻印であり、堆積した深遠な時間を湛えている。

 画集『池田良二 アートワーク1975-2016 静慮と精神の息吹』出版記念となる本展は、作者の京都初個展でもある。2013〜16年の最近作をはじめ、旧作含め全四十余点を紹介。
池田良二, Ryoji Ikeda

作者まえがきより「静慮と精神の息吹」(抜粋)

 銅版に対峙することで自らの内へ内へと意識が誘われ、淡い光と深い闇とをもってその版に定着することに長い時をかけてきた。それが数年前に廃墟の中に「銅の茶室」をつくろうと発想した時から、意識の流れはその向きを変え、私を取り巻く外界、とりわけ生まれ育った風土と自然が私を強く惹くようになった。一面の笹原、点在する針葉樹の群れ、そしてそれらを包む闇のような海霧。間断なく流れる霧にあわせて、見えるものと見えないものとの境界は限りなく曖昧となる。茶の湯に云う「冷え枯れた磧の道」を想起させるその風景が、私に暗示を与え、私自身の生命の韻律を顕現させる。

池田良二 アートワーク1975-2016 静慮と精神の息吹」(武蔵野美術大学出版局刊)
  ISBN978-4-86463-052-8  30×20×2cm/184頁/129図版
 序文:酒井忠康(美術評論家/世田谷美術館館長)
 テキスト:数森寛子(愛知県立芸術大学美術学部准教授)
     価格 3,500円+税 作者自筆サイン本! 会場で販売いたします.
     通販送料200円、合計3,980円、手数料無料払込用紙同封でお送りします.


2016年夏期常設特集展示鴻池朋子黒須信雄フィリップ・ザクサー

文明と野性、虚と実、生と死・・・美術はそれら諸相の境界に生まれ落ちる。
在るものに似たものに変化しながら、在りもしないものをたっぷりと孕みながら、しかしたしかにここに在るものとして。


各作品画像をクリックすると別画面に拡大画像または特設ページが表示されます。

鴻池朋子, Tomoko Konoike 鴻池朋子, Tomoko Konoike

鴻池朋子のオブジェ
「素焼粘土」(素焼き粘土に水彩、全長約10〜20cm)

鴻池朋子は、東日本大震災以来、「もはや同じものではいられない」とそれまでの制作を停止し、山村を歩き、中心から周縁に追いやられた物語を集め、積極的に美術の外へ外へと移動する旅をしてきたという。そして、昨秋の神奈川県民ホールギャラリーにおける大規模個展《根源的暴力》で、アートへの根本的な問いに挑んだ。創造の原点に回帰したかのような作品「素焼粘土」たちは、現代美術のトップランナーとして駆けてきた鴻池朋子自身の “炉心溶融” の産物にもみえる。その造形美は、生命の原初的な不完全さへと無意識的に接近し、壊れやすい生と死の境界上を漂っている。先の《根源的暴力》展の出品作品より。


黒須信雄, Nobuo Kurosu

黒須信雄のペインティング
左より「伊都能賣No.8」41x27.5cm(2010)「夜良比No.16」33x24cm(2015)「天之底立No.17」41x27.5cm(2013)

黒須信雄は、画布を実と虚の閾となるゼロポイントとして設ける。虚の側に在る未出現のものは絵具に触れることによって痕跡を残す。しかし、それは痕跡であって、未出現のものは相変わらず絵画の深奥へとその本質を隠しつづける。黒須信雄の描く行為とは、存在の彼方の有りもしないものを意志し、あわいの感覚のなかで「何ものでもない」という未生の状態を表現している。絵画の自律性、非物質性を具現する黒須信雄の関西初紹介。2014-15年美術館巡回した「スサノヲの到来 いのち、いかり、いのり」展出品作を含む。



フィリップ・ザクサー, Philippe Saxer
フィリップ・ザクサー   
      のドローイング

「無題」(シート各21x15cm)

フィリップ・ザクサーは、きわめて繊細な絵画と素描作品を遺したスイスの画家。ガラス造形作家として若くして芸術の才能を開花させたが、やがてベルンのヴァルダウ精神病院で多数のドローイングを制作することとなった。作者の生来持つ強烈な創造力が、精神の分裂をきっかけに爆発的に流露したその作品は、痛ましくまた美しく、生の真なるリアリティを表している。2013年48歳で逝去。



秘密の創造、最後の断片・・・

桑原敏郎 最後の遺作
The Remaining Works of Toshiro Kuwabara 1953-2014

2016年 7月12日(火)〜 7月30日(土)
1PM〜7PM 月のみ休廊 
桑原敏郎, Toshiro Kuwabara
桑原敏郎(1953〜2014年 茨城県)は、成人後の40年間を完全な孤独の中で過ごし、その間断続的に木炭や鉛筆で幻想的なドローイングを描いた。十代で澁澤龍彦の芸術思想、巖谷國士のシュルレアリスムに心酔し、二十歳の頃、弟・桑原弘明を連れて観に行った四谷シモンの人形展に大いに創造心を触発されたという。そんな兄の影響もあってか、弟もオブジェを造る作家になった。60歳のとき末期癌で死を目前に感じた敏郎は、はじめて自身の創作を弟に明かした。そして亡くなった年の暮れ、巖谷國士のテクストを得て、桑原敏郎の作品は奇跡的に世に紹介されることとなった。半裸の少女が登場する、秘密の物語に彩られた色鉛筆のミニアチュール作品群など、多点数が欧州の著名なコレクションに収蔵されたため、日本には今や希少な個人所蔵品が残るのみとなった。本展は、2015年春の当画廊における色鉛筆小品の展示につづき、残存する桑原敏郎の遺作を画廊で公開する最後の機会になるだろう。その謎に満ちた作品世界は、人がなぜ創造するのかという根源的な問いについても考えさせてくれる。(28点出品)桑原敏郎, Toshiro Kuwabara


  ★ 画集「もうひとりのイブ」
     文/巖谷國士・四谷シモン
         ¥1800(税・送料別)
              販売いたします。

ART OSAKA 2016 出展
2016年7月1日preview・2日・3日 ホテルグランヴィア大阪26階 Room#6211
鴻池朋子黒須信雄フィリップ・ザクサー
3作家作品を出品いたしました。


鴻池朋子, 黒須信雄, フィリップ・ザクサー

文明と野性、虚と実、生と死・・・美術はそれら諸相の境界に生まれ落ちる。
在るものに似たものに変化しながら、在りもしないものをたっぷりと孕みながら、しかしたしかにここに在るものとして。



玉本奈々新作展 原動―いのちの始原
Nana Tamamoto - New Works 2014-16

2016年 5月21日(土)〜 6月12日(日)
 1PM〜7PM 月のみ休廊 
特集パンフレット『螺旋階段』第105号:三谷渉(田辺市立美術館学芸員)特別寄稿掲載 →紙面画像を見る
玉本奈々, Nana Tamamoto
玉本奈々(1976年生まれ、富山県出身)は、繊維造形物によるレリーフ状絵画とインスタレーションで知られる、気鋭の現代美術家。細かにミシン糸が縫い込まれ、あたかも古木の樹皮か珊瑚のような質感のオブジェと化した布やガーゼの塊と、飛沫状の着彩、樹脂による凸状波紋など、筆で描いた絵画とは異なる豊穣な物質的マチエールが特徴。さらに近年は素材に紙も使用するようになり、独特の風合いと奥深い色彩を醸す作品は、ますます多様な展開をみせている。
玉本奈々は、その抑えきれない創造エネルギーによって、不滅の生命力を見つめ、祝福するという、美術の原初的な力を具現する稀有なアーティストである。
本展はギャルリー宮脇における玉本奈々の三回目の新作個展で、2014年以降これまでに制作された作品を発表。100号大作から小品まで三十余点を出品。

『原動―いのちの始原』・・・それは抽象的なものではなく、どこまでも玉本さんの個的な、内的な体験からつかみとられた『原動』である。 (三谷渉氏寄稿文より)

玉本奈々, Nana Tamamoto <玉本奈々略歴>
1998年成安造形大学卒業。2004年VOCA展出品。同年富山の国登録文化財、豪農の館・内山邸と薬種商の館・金岡邸で個展。2007年五箇山相倉合掌造り集落、高桑家・山崎家で個展。同年富山県立近代美術館企画「とやま現代作家シリーズ〜時の中で」出品。2009年文芸社ビジュアルアートより自著の絵物語「マスクの旅路」を刊行。2010年京都造形芸術大学大学院芸術研究科修了。2012年尼信博物館で個展。2014年枚方市平和の日記念事業企画として市民ギャラリーで個展。2015年合掌造り集落世界文化遺産登録二十周年記念事業として五箇山の菅沼合掌造り集落、羽馬家で個展。ギャルリー宮脇での新作発表個展に、2011年「生への思念」、2014年「向き合う時間」がある。

図版は上「Suspenders」162×130cm、左「ホタルのヒカリ」116×116cm


西脇直毅 初個展

オブセッションとユーモア
Obsession and Humour

2016年 4月1日(金)〜 4月24日(日) 1PM〜7PM 月のみ休廊 
『螺旋階段』第104号・西脇直毅初個展特集、建畠晢特別寄稿掲載→紙面画像を見る  
西脇直毅, Naoki Nishiwaki
驚異のボールペン画!
現代アートの世界に輝く超新星。
初個展で近年の快作を一挙紹介。

 緻密な線描によるネコ紋や縄目紋が増殖、反復するパターンを無限の想像力によって描く異才、西脇直毅(1977年生まれ)。近作・新作約50点を一堂に紹介する待望の初個展。

(建畠晢評)「尋常ではない持続力を要するであろうその機械的な作業から、独自の芳醇なる感受性を印象付けずにはおかない作品群が生み出され続けていることには驚かざるをえない

(南嶌宏評)「目を近づけてみれば、その一筆一筆には一切の迷いがなく、いわば完全なる自由を獲得しようとする確信に満ちた意志によって世界が開かれていく姿にも見えてくる

 驚かされるのはオブセッショナルな描かれ方だけではない。紙上で自在に生長する縄目の渦の伸びやかな様。一匹一匹異なる表情をしたネコが各々にポーズをとるユーモラスさ。またそこに神出鬼没に異種の動物が紛れ込むのを見つける楽しみ。カラーペンや色鉛筆が用いられれば目にも綾なる色彩世界が紡ぎ出される。どの作品も作者の豊かな才能とポエジーに満ちあふれている!初個展で全紙に描いた大型作品からキャンバス小品、ハガキサイズまで、約50点を発表。

西脇直毅, Naoki Nishiwaki
<西脇直毅 略歴>1977年大阪府生まれ。現在大阪市在住。2002年成安造形大学(滋賀県。立体造形クラスに入学後、情報デザインに転向)卒業。07年岐阜県立情報科学芸術大学院大学(IAMAS)修了。在学中はメディアアートに進んだが自身では絵を描き続け、それこそが自分の創作の道と認め、現在まで主にボールペンによる絵画制作に専念している。12年大阪府現代アートの世界に輝く新星発掘プロジェクト最優秀賞。13年同展特別賞連続受賞。15年国際芸術コンペティション「アートオリンピア」審査員特別賞。埼玉県立近代美術館ほか巡回「すごいぞ、これは!」展に建畠晢氏の推薦で出品。

2/16〜3/19、日仏の新鋭と重鎮、二人の天才による二つの個展、同時開催!

西村 一成 新作展
ISSEI AND THE DEVIL BLUES

2016年 2月16日(火)〜 3月19日(土) 1PM〜7PM 日・月休廊 
西村一成, Issei Nishimura, Devil Blues

絵画・・・それは感情の激烈なほとばしりだ。
    ブルースのように、うねり、震えている!


 西村一成(いっせい)は、自身の破片として独白記のごとく日々絵画を制作するセルフトート(独学)の突出した画家。人間の生・性・悦・鬱と直に向き合いながら創造の一瞬のチャンスを逃さず、表現の本質をつかみ取る。新作で多く描かれている人物像のフォルムは、作者の大きな身振りによって激しくうねりながら画布の上で色彩と筆跡の塊と化し、絵画の深淵から荒い呼吸音をたてているようである。本展は当画廊での1年半振り4回目の個展。2015年制作の新作から選り抜いた30点を発表。★記念パンフレット『螺旋階段』第103号特集・いしいしんじ、鈴木創士 ダブル寄稿掲載→紙面画像を見る

<西村一成 略歴>1978年生まれ。愛知県在住。池田満寿夫記念芸術賞佳作、青木繁記念大賞展、シェル美術賞展(以上07年)、リキテックスビエンナーレ(08年)、トーキョーワンダーウォール(09年、13年は入賞)、宮本三郎記念デッサン大賞展(11年、13年も)、愛知アーツ・チャンレンジ(12年)、FACE損保ジャパン日本興亜美術賞展(15年)等々、数々のコンクールに入選・受賞。ギャルリー宮脇での個展は「絵画=内面の表皮」(2011年)「目の中の目」(2012年)「幻たちのブルース」(2014年)。「ISSEI AND THE DEVIL BLUES」は各々規模と内容を異にして名古屋(2015年12月)、銀座(3月7日〜19日 十一月画廊)でも開催。 ★ 西村一成 Paintings2013-2014 オンラインカタログを見る

2/16〜3/19、日仏の新鋭と重鎮、二人の天才による二つの個展、同時開催!

W企画展★2Fギャラリー ジェラール・サンドレイ
       Visages/顔

2016年 2月16日(火)〜 3月19日(土) 1PM〜7PM 日・月休廊 
Gerard Sendrey, Creation Franche

創造についての革新的思索<クレアシオン・フランシュ>
の創始者が描く、万華鏡のように変幻する顔・顔・顔!


 ジェラール・サンドレイ(Gerard Sendrey)は、1928年生まれ、フランスのボルドー近郊を拠点に活動する画家。その絵画とドローイングには、大胆な線、衝動的な動き、偶発性を画面上に盛り込むオートマティックな手法が取られるにもかかわらず、立ち現れたイメージには、豊かな効果を生み出す異様なほどに細心な配慮と、見事に調和した造形的構想が見てとれる。
 本展では20cm角のフォーマットに描かれた「Visage 顔」の連作40余点を発表。自由自在の描線と色彩は、カラフルでキュビスティックで、あたかも万華鏡に映し出され無限に変幻する顔々の像を写し取ったかのようだ。作品から放たれる視線が激しく交錯する高密度の展示空間で、絵を見る人を幻惑的体験に誘う。


ジェラール・サンドレイ, 率直な創造, クレアシオン・フランシュ, ギャルリー宮脇
率直な創造 クレアシオン・フランシュ
ジェラール・サンドレイの初邦訳論集、デュビュッフェのアール・ブリュット
の本質を語る! B6判 144頁 ハードカバー モノクロ60図版掲載 

神戸新聞書評記事を見る  日経新聞紹介記事を見る
美術評論家・勅使河原純氏HP書評を見る

ジャン・デュビュッフェ亡き後のアヴァンギャルドの最もマージナルな領域を
渉猟してきた著者は、現代芸術におけるデュビュッフェの数少ない精神的継承
者。書き下ろし「アール・ブリュットの歴史、歴史上のアール・ブリュット」
代表作「クレアシオン・フランシュ宣言」ほか本邦初訳の精選論集でアール・
ブリュットを超え現代美術に対峙する新しい時代の生(せい)の芸術を唱道す
る。革新政治家ノエル・マメール、美術史家ミシェル・テヴォーほかのテクス
トも収載。久保田亮訳、ギャルリー宮脇独自編集。
            

2013年10月 ギャルリー宮脇刊 本体定価2700円 ISBN 9784990243562

いしいしんじ, その場小説, 塔本シスコ
特別イベント/2015年12月19日午後3時〜〔終了しました〕

いしいしんじ ★ 砂漠と夜空の「その場小説
      <ディーン・ボーエンに捧げる>
  ディーン・ボーエン日本デビュー20周年記念展開催記念

詳しい情報
いしいしんじのイベント
オーストラリアのアーティストDEAN BOWEN

ディーン・ボーエン
日本デビュー20周年記念展

2015年11月28日(土)〜 12月20日(日) 1PM〜7PM 月曜のみ休廊 
Dean Bowen, ディーン・ボーエン, オーストラリアの画家
 1995年に銅版画の実力派作家としてギャルリー宮脇で日本デビューを飾ったオーストラリアのアーティスト、ディーン・ボーエン(Dean Bowen 1957〜)。 ナイーブな詩情と豊かな想像力、プリミティブなユーモアがあふれる大胆不敵な創作は日本でも人気を博し、その作品の前ではいつも鑑賞者の笑顔が絶えません。ディーン・ボーエンはオーストラリアでは油絵や彫刻の大作を発表し、公立美術館での個展やパブリック・アートの委嘱制作を次々と行ない、スケールの大きな活動を展開しています。
 本展はディーン・ボーエンの旧作銅版画代表作と、水彩、油絵、新作リトグラフなども併せ合計約60点を展覧致します。

★記念プログラム★

・パンフレット『螺旋階段』第102号を刊行
     特別寄稿に谷川晃一(画家・美術評論家)『子どもに向かって成長してゆく画家』を掲載
     ※ 会期中は会場にて無料配布、またご請求の方には無料送付致します。

・イベント「いしいしんじの<その場小説>」 【終了しました】
     12月19日(土)午後3時〜(定員あり・予約先着順・¥500)
     ※ 当画廊まで、名前/参加人数/メールアドレスとお電話番号をお知らせ下さい。

アメリカのアール・ブリュットの代表的作家、待望の日本初個展!
(き)のままの軌跡  Dwight Mackintosh (1906〜1999 USA)
ドワイト・マッキントッシュ 
2015年10月23日(金)〜 11月15日(日) 1PM〜7PM 月曜のみ休廊 

  ドワイト・マッキントッシュDwight Mackintosh 1906〜1999 カリフォルニア)は、出生直後の脳損傷による重度障害で、半世紀以上もの入院生活を余儀なくされたが、72歳になって病院外での生活をはじめてから、おびただしい数のドローイングを制作した。ドワイト・マッキントッシュはペンを持つと陶酔したようになり、手をグルグルと回転させ、特徴的な線で人物、動物、乗り物などを描く。あまりの興奮状態で描画の最中に気を失うことすらある。余白や裏面にはしばしば判読不能の文字が書き連ねられる。図像と文字の混沌とした融合には、事物と言葉の区別なしに線の行方のみに純粋に取り憑かれ戯れる幼児のような心的状態がみてとれる。ドワイト・マッキントッシュの創造は完全に自己完結した表現であり、そこには他の芸術作品や既存の文化の影響はない。無垢な段階に腰を据えたまま老年を迎え描くことをはじめたドワイト・マッキントッシュは、通常人が自我形成に伴い手放してしまう創造的資源を自由に耕すというチャンスを獲得した稀有な画家である。
  アメリカのアール・ブリュットの代表的な作家であるドワイト・マッキントッシュの日本初個展となる本展では、厳選した30点の作品で、作者の人生と創造の『生のままの軌跡』を紹介する。

Dwight Mackintosh, Art Brut, ドワイト・マッキントッシュ, アール・ブリュット

★柄澤齊展「水の法 火の法」記念イベント 〔終了しました〕
志村洋子 × 柄澤齊 公開対談 2015年7月5日(土)午後3時〜
「水の話 火の話」

詳しい情報
志村洋子, 柄澤齊, 対談
近年コラボレーションも行なっている染織家の志村洋子と柄澤齊による公開対談。
中写真:志村洋子氏の裂で表装した自作の木口木版画を見せる柄澤氏。
右写真:志村ふくみ氏も飛び入りでお話し下さいました。机上にはニガヨモギが置かれました。
柄澤齊 展「水の法 火の法」
2015年 6月20日(土)〜 7月12日(日) 1PM〜7PM 月曜休廊 

木口木版画の第一人者として知られる、柄澤齊(からさわひとし、1950年生まれ)は近年、絵画に取り組んでいる。
その技法は独自のもので、版表現とも近接なモノタイプやコラージュを多用しながら、和紙に墨をぼかしたり、
流したり、また細密な描画を加えたりして、「書かれなかった物語」の一場面を絵画世界に展開している。
『水の法 火の法』と題された本展は、自然の囁きに耳を澄ませ、その暴威をどう見据えるかといった
暗示を孕み、破壊と芽吹きを約束する神話的オマージュを軸にした新作群で構成する。
京都での8年振りの個展となり、近作も併せて全約40点を展示。
左「春」913×1160mm 右「燎原の風」923×1200mm ともに2015年新作、 和紙、墨、アクリル、顔料、水彩、色鉛筆による混合技法

▲ 記念パンフレット『螺旋階段』第101号を刊行致しました。志村ふくみ特別寄稿掲載   展覧会期中は無料配布致します。

★フィリップ・ザクサー追悼展関連イベント 〔終了しました〕
杉村昌昭 × 鈴木創士 公開対談 2015年5月30日(土)午後3時〜
「創造と狂気」― 絵画と精神疾患

詳しい情報
杉村昌昭, 鈴木創士, 対談, 創造と狂気
杉村昌昭(龍谷大学名誉教授)、鈴木創士(フランス文学者)による公開対談。
哲学者・精神分析家であったフェリックス・ガタリと、狂気の詩人と呼ばれた
アントナン・アルトーに精通する二人の論客の熱い対話が行なわれました。
フィリップ・ザクサー追悼展
2015年 5月16日(土)〜6月7日(日) 1PM〜7PM 月曜休廊

フィリップ・ザクサー(Philippe Saxer 1965〜2013)は、きわめて繊細な絵画と素描作品を遺したスイスの画家。
ガラス工芸、ステンドグラス職人の修練を積み、芸術家として早くから才能を発揮した。
しかし22歳のときに病気を患い、やがてアドルフ・ヴェルフリがいたことでも知られるベルンのヴァルダウ
精神病院のアトリエを拠点に多数の特筆すべき絵画を制作することとなった。
フィリップ・ザクサーが生来持つ強烈な創造力が、闘病をきっかけに爆発的に流露したのだといえよう。
そこに表されるのは真なるリアリティであり、きわめて実存的な芸術である。
フィリップ・ザクサーと交友のあった当画廊における日本初個展は、惜しくも追悼展になってしまった。
紙に描いたペインティング、ドローイング約90点を展覧。

 
▲ 追悼パンフレット『螺旋階段』第100号を刊行致しました。A4・4頁・オールカラー・図版16点ほか写真・鈴木創士特別寄稿掲載。   展覧会期中は無料配布致します。

★企画展「アール・ブリュット<境界のない世界へ>」関連講演 〔終了しました〕
巖谷國士講演会 2015年4月26日(日)午後3時〜
「アール・ブリュットとシュルレアリスム <境界>のない世界へ」

+ 桑原弘明スコープ鑑賞会  詳しい情報
巖谷國士, アール・ブリュット, シュルレアリスム, 講演会
巖谷國士(いわやくにお)氏の講演録著書『シュルレアリスムとは何か』で扱われた
シュルレアリスム・ユートピア・メルヘンにつづいて、日本では本来の意味に理解されていない
アール・ブリュット】(生のままの芸術)をテーマに、シュルレアリスム的視点から、
新しくボーダーレスな思考とまなざしを提唱。
★ 講演後はサイン会と、オブジェ作家・桑原弘明のスコープ鑑賞会を行ないました。


★巖谷國士 at ギャルリー宮脇の紹介ページ★

アール・ブリュット <境界>のない世界へ
2015年423日・24日・25日・26日【4日間限定】11AM〜7PM

真に<境界>のない世界とは・・・
異能者や無垢者の作品を通して人間の創造の根源に迫る。
昨年発見された故・桑原敏郎の小さな色鉛筆画をはじめ、
アンティエ・グメルス Antje Gummels
ゾンネンシュターン Friedrich Schroder-Sonnenstern
マッジ・ギル Madge Gill
アンナ・ゼマーンコヴァー Anna Zemankova
ユージン・ヴォン・ブルチェンハイン Eugene Von Bruenchenhein
ハンス・クルージー Hans Krusi
ヤンコ・ドムシッチ Janko Domsic
ヴィクトル・ユーゴー Victor-Marie Hugo
マルタ・グリューネンヴァルト Martha Grunenwaldt
アロイス・ヴェイ Alois Wey
イルマリ・サルミネン Ilmari "Imppu" Salminen
ミシェル・ネジャー Michel Nedjar
フランソワ・ビュルラン Francois Burland
ガストン・トゥシェール Gaston Teuscher
イグナシオ・カルレス=トルラ Ignacio Carles-Tolra
フィリップ・ザクサー Philippe Saxer
塔本シスコといった、
日・欧・米、18作家の約70点を展示します。

4月26日(日)午後3時〜 巖谷國士氏による記念講演があります。
→詳しい情報(満員になり受付は終了しました)


2015年4月4日記念イベント(終了しました)
朗読パフォーマンス・渡辺千尋銅版画遺作展のために
出演:鈴木創士 × 寮美千子 × 南野梓
画廊内は渡辺千尋に捧げた版画と言葉と音楽が溶け合い幻想的な空間となりました。満員御礼。
渡辺千尋銅版画遺作展 ビュランとメゾチント50余点出品
2015年41日(水)419日(日) 1PM〜7PM 月曜休

驚くべき想像力と、高度な技術により、エングレーヴィングの傑作を幾点も創り出した孤高の異才、渡辺千尋(わたなべちひろ 1944〜2009)。初期のシュルレアリスム的作品では、ビュランによる襞状、波状の彫線が延々と生長し、果てしない膨張と変容をくりひろげている。後年は暗部から光をえぐり出したような幻想的表現のメゾチントも手がけた。64歳で急逝。2013年練馬区立美術館、14年長崎県美術館で個展。関西初の本格的紹介となる本展は生涯作品を網羅し、貴重な遺作から約50点を出品。寮美千子、鈴木創士特別寄稿掲載パンフレット『螺旋階段』第99号刊行。 会期末まで無料送付します→


第一回蓮如賞受賞作家
著述家としての渡辺千尋


渡辺千尋は、最初の著作『ざくろの空 頓珍漢人形伝』(1995年 河出書房新社刊)で、日本の精神文化の深淵を探るノンフィクション作品に贈与される<蓮如賞>を受賞した。昭和30〜40年代に長崎市で売られていた土産物「頓珍漢人形」の作者・久保田馨の評伝である。一つとして同じものがない手びねりの小さな素焼きのこの奇妙な人形は、人間存在の不条理性を「頓珍漢なるもの」ととらえたことに由来し、その根底には「原水爆を作ってしまった人間への怒り、悲しみ」があるという。渡辺千尋自身の創作人としての共感や、消え行く作品を後世に伝えることへの使命感に支えられた本書は、「愚直とも見える対象への傾倒ぶり」(五木寛之選評)によって、表現者の業が率直かつ情熱的に綴られ、一人の人間の生を描き出す果てに「きわめて危ない人間の精神の深淵」(梅原猛選評)を表している。渡辺千尋は、自身の銅版画と頓珍漢人形の間に造形的な親近性を認めていた。『ざくろの空』は、渡辺千尋にとって、久保田を通したある種の自画像という側面を持っている。


4月4日(土)午後4時〜 記念イベントとして朗読パフォーマンスを行ないます。出演:鈴木創士、寮美千子、南野梓 →詳しい情報

いしいしんじ, その場小説, 塔本シスコ
特別イベント/2015年3月14日午後3時〜(終了しました)

いしいしんじのその場小説&トーク
      <絵のなかですべてが出会う>
          『塔本シスコ 絵の手帖』刊行記念


詳しい情報
いしいしんじのイベント
企画展示としてのギャルリー宮脇の常設展』
2014年1129日〜2015年3151PM〜7PM

普段の個展やテーマ企画展の会期中には常設フロアでの展示となる当画廊の常設取り扱いアーティストの 作品を1作家1壁面程度のボリュームで紹介し、 個性と多様さを楽しんでいただけるような展示を行ないます。
今回は、西脇直毅(新人)、ジャン・フォートリエディーン・ボーエン(新作入荷)、アンティエ・グメルス玉本奈々西村一成、そして塔本シスコ(一室特設展示)ら世代・国籍・画風を越えた作家たちを軸に据え、ギャルリー宮脇の特徴であるアンフォルメルシュルレアリスムアール・ブリュットの作品も出品。
新作・未発表作・当画廊初出作を多数含む総計120点で、「もっと常設作品を見たい!」という皆様の声に応え開催する『ギャルリー宮脇の常設展』という題名の特別企画展示です。



     ★ ★ ★ 上記企画展『ギャルリー宮脇の常設展』の中に特設します。

特設展示塔本シスコの部屋』     

      日本を代表する素朴画家・塔本シスコの油絵約30点を一室に集め、
      シスコワールドを体感する特設展示。塔本シスコは昨年末の雑誌
      クウネル ku:nel No.71(2014.11.20発売号)に特集、また2月下旬、
      平凡社コロナブックスより『塔本シスコ 絵の手帖』が刊行され、
      ますます注目度が高まっています。

2月14日〜3月29日、愛知県/文化フォーラム春日井・ギャラリーにて展覧会
塔本シスコ展〜こどもの心を持ったおばあちゃん画家〜>開催。http://www.kasugai-bunka.jp/archives/10277


MEMORIAL EXHIBITION OF JORG SCHMEISSER 1942〜2012
旅する版画家
ヨルク・シュマイサー追悼展
遺作から厳選した貴重な作品40点以上を展示

2014年1025日(土)〜1116日(日) 1PM〜7PM 10/27, 11/10休廊
※11月1日 5:30PM〜メモリアルレセプション(敬子シュマイサー夫人が出席します)

彼はどんな国境にも縛られず、自由に世界を歩きまわって、民衆にとけこむとともに、伝統の始源へと遡る。
その生き方が銅版画のずばぬけた力量と結びついて、普遍的で独自なイメージを生みだす。
彼の作品は、幻想と写実がとけあい、追憶と想像が一体化した旅日記である

(針生一郎、1987年、 渋谷パルコギャラリー個展案内より)
  旅をして銅版画に「世界」を彫り続けたヨルク・シュマイサー。ポメラニア(現ポーランド)に生まれ、ハンブルクで美術を学び、京都市立美術大学(現芸大)大学院に留学。その後、アジア各地の旅行や、中東発掘、ラダック探検、南極調査など、特殊な旅行プロジェクトに参加し、その創作のインスピレーションは、普通の芸術家が体験しないような旅行歴に強く裏打ちされている。指導者としても人望が厚く、キャンベラ美術大学(現国立大附属)教授を20年間、京都市立芸術大学教授を6年間務めた。 縁の地京都での没後初の本格的な遺作展。


パンフレット『螺旋階段』第98号を刊行しました。A4・4頁・図版12点・黒崎彰特別寄稿「日記と貝殻/ヨルク・シュマイサーの作品について」収載。ご希望の方に展覧会期終了まで無料送付。氏名, 郵便番号, ご住所明記のうえご請求下さい。パンフレットを見る



ヨルク・シュマイサー画集 BILDER DER REISE, a man who likes to draw
作者が最期まで制作に関わり、繊細かつ迫力に満ちた数々の図版に彩られた美しい画集。深交を結んだ作家
や研究者たちによるエッセイ、自筆年譜など収載。豪マクミラン社刊 ハードカバー 25×25cm 175頁
オールカラー図版100点以上収載 英語  【直輸入限定販売】 ¥10,000(税込)<通販送料無料>




ヨルク・シュマイサーの初期木版画『古事記シリーズ』から12点が足利市立美術館企画展
「スサノヲの到来〜いのち、いかり、いのり」(会期2014.10.18〜12.24)に出品。
 足利市立美術館ホームページはコチラ



※ 会期は好評のうちに終了しました。作品のお申し込みは引き続き受け付けております
EXHIBITION OF NEW WORKS BY AKIRA KUROSAKI : WOODCUT PRINTS "MAN'YO" AND PAPERWORKS
黒崎彰 新作展
木版画連作『万葉 <近江><大和>ペーパーワーク
2014年920日(土)〜1012日(日) 1PM〜7PM 月曜休 ※9月20日夕刻5時〜作者を囲みレセプション
黒崎彰 新作木版画シリーズ
万葉WWW ギャラリー
題にポインタを重ねるとイメージが表示されます。
共通データ:イメージ55x40cm ed.75
浮世絵版画の技術と精神を抽象作品の創作で現代に蘇らせ、革新的な木版画表現を拓いてきた黒崎彰(1937年生まれ、京都市在住)。新シリーズ『万葉』では、豊かな想像力と創意を持った古代人たちが和歌に紡いだ<ことば>を創造の源泉としている。そこに表されるのは、歌に詠まれたその心であり、感情の頂点において詠み人の心中に映った内的世界である。そのイメージは<ことば>の彼方にある、時間と固有の文化を超越した普遍的な表現に到達している。本展では、まず「近江」「大和」の歌より十作を発表。併せてペーパーワークの新作(及び未発表作)12点、ほか旧作版画も出品し合計35点以上を展示。半世紀近くにわたり現代版画界を牽引してきた黒崎彰の卓越した創作性をご覧いただく。 パンフレット『螺旋階段』第97号刊行。A4・4頁・図版11点・作者テクスト収載。

黒崎彰木版画WWWオンラインカタログ1993-2004 2004年までの韓国手漉き楮紙を使用した木版画のほとんどを画像掲載

京都が育んだ画家・井澤元一(いざわもといち 1909〜1998 京都)
7月9日に京都東急ホテルにてドナルド・キーン氏による関連講演が行なわれました。→新聞記事を見る
井澤元一紹介ホームページを復刻しました。→コチラ


★ 第3回個展 ★ The Third Solo Exhibition of Issei Nishimura at Galerie Miyawaki, Kyoto, Japan
西村一成 幻たちのブルース
幻たちが奏で、幻たちと歌う、ブルースとしての絵画
2014年6月28日(土)〜7月20日(日) 1PM〜7PM 会期中月曜休, ※7月7, 8, 9日連休致します。
7月5日の京都新聞美術欄(小吹隆文氏担当)に展評が大きく載りました→記事を見る

西村一成, Issei Nishimura  西村一成, Issei Nishimura  
「ブルース! 心が痛むとき、ひとびとがつくる歌、それがブルースっていうものだ。
悲しくておかしい歌・・・心を打ち砕かれた、今日の歌だ。」
(ラングストン・ヒューズの詩、木島始訳)

西村一成(いっせい)は1978年生まれ、愛知県出身・在住。自身の破片として独白記のごとく日々絵画を制作
するセルフトートの突出した画家。目の中に映る目が無限に反射して作者の内奥にある別世界を表した
ような幻視的イメージ。人間の生・性・悦・鬱と向き合う西村一成の絵画は、素早いが深く、
熱いけれど暗い。天性のアーティスティックなセンスで創造のチャンスを逃さず、
表現の本質をつかみ取る希有な才能。新作40余点発表。
★ 西村一成 Paintings2013-2014 オンラインカタログを見る

 池田満寿夫記念芸術賞佳作受賞ほか、青木繁記念大賞展、シェル美術賞(以上07年)、リキテックスビエンナーレ(08年)、トーキョーワンダー
 ウォール(09年、13年は受賞)、愛知アーツ・チャンレンジ(12年)、宮本三郎記念デッサン大賞展(13年)等々、数々のコンクールに
 入選出品し注目を集めている。当画廊での個展は、「絵画=内面の表皮」(2011年)、「目の中の目」(2012年)


オーストラリア現代絵画 Painting Series: The White Garden by Bruno Leti 
ブルーノ・レティ The White Garden
庭をめぐる白のヴァリアント
2014年5月17日(土)〜6月8日(日) 1PM〜7PM 会期中月のみ休
Bruno Leti, ブルーノ・レティ  Bruno Leti, ブルーノ・レティ  Bruno Leti, ブルーノ・レティ
Bruno Leti, ブルーノ・レティ 揺れ動く映像のようなブルーノ・レティの絵画。それは風景に潜むあら
ゆる要素(原生の自然から現代の人の営みまで)を巧みに表現している。
ブルーノ・レティの絵画の高度な抽象性は「現実」の究極の再現である。
本展は、日本、ギャルリー宮脇における三度目の来日個展。
白の微妙な調性に自然界を表す新たな連作30点を発表。

1941年イタリア生まれ。9歳でオーストラリアに移住。メルボルン大学、R.M.I.T.などで
芸術理論・美術を学ぶ。故郷イタリアのデビューはジョルジョ・デ・キリコの推挽を
得た。メルボルンを拠点に絵画、版画、アーティストブック、写真など幅広い表現
手法で活動。ハーシュホーン美術館(米ワシントンDC)など欧米の有名美術館に
作品収蔵。ヴィクトリア州立図書館特別研究員(メルボルン), ポロック=
クラズナー財団助成授与(ニューヨーク), その他国際展受賞・招聘多数。

←パンフレット『螺旋階段』第96号・5月上旬発行。A4・6頁・図版20点・作者テクスト収載。
 ご希望の方に展覧会期終了まで無料送付。氏名, 郵便番号, ご住所明記のうえご請求下さい。


【予約制ギャラリーイベント】終了しました。
巖谷國士講演会「庭園とは何か シュルレアリスムの視点」
2014年5月24日(土)午後3時〜
企画展「ブルーノ・レティ新作展 "THE WHITE GARDEN" 庭をめぐる白のヴァリアント」関連講演
★巖谷國士 at ギャルリー宮脇の紹介ページ★
巖谷國士, 講演会, シュルレアリスム, 庭園
シュルレアリスム研究の第一人者、巖谷國士(いわやくにお)氏による新著幻想植物園 花と木の話』( PHP研究所刊)の出版記念も兼ねた講演&サイン会。シュルレアリスムの見地から、「庭園」とは何か、太古のオリエント、ヨーロッパ、アジアから京都まで、時空を超え、知の巨人が語り明かしました。
★ 参加者には講演後のサイン会で、著者と直接ご歓談いただきました。
Mont Analogue 巖谷國士をめぐるサイト→ここをクリック
☆春の企画展Vol.2
玉本奈々 個展 <向き合う時間>
2014年4月5日(土)〜4月27日(日) 1PM〜7PM 会期中月のみ休
玉本奈々, NanaTamamoto
繊維造形と融合した独自のレリーフ状絵画やインスタレーション
で異彩を放つ玉本奈々の新作発表。
人がなにかと向き合うとき、時は刻まれ、そこに世界が生まれる。
美術作品の創造も、そしてまた鑑賞も、「向き合う」という営み
にほかならない。それは創る者にとっても、見る側にとっても、
各々に<生>を思念する祈りの時間となるだろう。
玉本奈々の抑えきれない創造へのエネルギーは、不滅の生命力を
見つめ、祝福するという、芸術の原初的意義を、今日に具現して
いる。

1976年 富山県生まれ
1998年 成安造形芸術大学卒業(ファイバーアートコース)
2010年 京都造形芸術大学大学院芸術研究科修了
2004年「現代美術の展望〜VOCA展」(上野の森美術館、東京)
2007年「とやま現代作家シリーズ〜時の中で」(富山県立近代美術館)
2010年「ファンタスマゴリア〜異貌の現代美術展」(ギャルリー宮脇)
2011年「生への思念〜玉本奈々新作展」(ギャルリー宮脇)
2012年「真相―深層〜玉本奈々個展」(尼信博物館、尼崎)
2013年「平和の日記念事業・向き合う時間〜玉本奈々個展」
                     (枚方市民ギャラリー)
玉本奈々「向き合う時間」
会場:枚方市民ギャラリー 会期:2014年2月28日〜3月12日
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<枚方市平和の日記念事業企画展>として「玉本奈々-向き合う時間」が枚方市民ギャラリーにて開催。
「対話 1」「対話 2」トリプティック「樹」「華の跡」「土壌」などの大作絵画とインスタレーション
「増殖×集積」などが展覧。1000人を超える動員数で好評でした。(つづく当画廊での新作展とは10点のみ重複)
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生起と消滅のあわいに・・・Neverland―識
椿大樹版木による木口木版画と水干絵具によるドローイング          ☆春の企画展Vol.1
齋藤修 個展 宇宙へ・・・
2014年3月8日(土)〜3月23日(日) 1PM〜7PM 会期中月のみ休
齋藤修, Osamu Saito
  鉱物結晶と宇宙に心象的光景を表す木口
  木版画で知られる齋藤修(1946〜 京都府
  在住 日本版画協会会員 京都版画実行委員)
  が、連作「Neverland-識」全十点を
  ついに完成、本展で一堂に発表。

  近年、新境地として取り組む干水絵具に
  よるドローイングにも独特の瞑想的な
  絵画世界が展開されている。

齋藤修, Osamu Saito

オーストラリアの人気画家
ディーン・ボーエン新作展
2013年11月30日(土)〜12月22日(日)
1PM〜7PM 会期中月のみ休
ディーン・ボーエン, Dean Bowen ディーン・ボーエン, Dean Bowen ディーン・ボーエン, Dean Bowen   「ナナフシと赤いトゥーカン」45x53cm 油彩          「小さなクーカバラ」13.5x15cm 油彩     「掌と小さな梟」45x53cm 油彩                      

愉快な動物たちや人間像、交通渋滞の都市風景などにアイロニーとユーモアを込めるディーン・ボーエン。夢の世界を紡ぐ異才画家として現地で絶大な人気を博してきた。1990年代に世界の有名版画コンクールで多数の入選受賞を果たし、2000年代に入っては100〜200号の大作油絵、大型ブロンズの委嘱設置などのスケールの大きな作品を制作し、活動の舞台は美術館やパブリックアートに移っている。2009年ウォーナンブール美術館、2010年ベナラ美術館、2012年マルーンダー美術館、セントラルゴールドフィールド美術館(以上すべてビクトリア州)と近年は美術館個展が相次いでいる。思わず笑ってしまうようなイメージに、無限への憧憬と日常への愛、自然の広大さ、生命の脆さといった壮大なテーマを見事に表現している。本展のための描き下ろし新作の油絵・版画・ドローイングを発表。


★ギャルリー宮脇開廊40周年記念企画★
特別展『<遊ぶ>シュルレアリスムとは何か』
2013年10月26日(土)〜11月17日(日)
1PM〜7PM 会期中月のみ休(月祝の場合は翌日)
 今回の展覧会は、シュルレアリスム研究の第一人者・巖谷國士氏監修の「<遊ぶ>シュルレアリスム」展によって示された現代美術の新しい見方を受けつぎ、いわばその画廊篇として企画したものです。人間本来の<遊ぶ>行為の創造性を発見し、魅惑的な試みをくりひろげたシュルレアリストたちの版画作品に加えて、共通の特性をもつアール・ブリュット作品をも多数展示し、ギャルリー宮脇ならではの着想と構成によって新領域をひらきます。エルンスト、ダリ、ミロ、キリコ、マン・レイ、デルヴォー、マグリット、フィニ、ベルメール、マッソン、マッタ、ラム、デュビュッフェ、S.W.ヘイターらのオリジナル版画と、マッジ・ギル、アンナ・ゼマーンコヴァー、ハンス・クルージー、ガストン・トゥシェール、ジーン・マン、ミシェル・ネジャー、クリス・ヒップキス、フランソワ・ビュルラン、オディ・サバンらの絵画、ドローイング、オブジェ等、総勢35作家による約120点を出品。シュルレアリスムと、その源泉にもなったアール・ブリュットのクラシックおよび現代作家の作品が併せ並ぶ珍しい展覧会です。 
(記念パンフレット『螺旋階段』の表紙を見る)
※A4/4頁 解説 29図版掲載 請求無料



☆ ☆ ☆ 終了しました【予約制特別講演会開催】
予約制・定員50名・申し込み先着順・参加費1000円
巖谷國士ギャラリートーク&サイン会★

<遊ぶ>シュルレアリスムとは何か
2013年11月9日(土)午後3時〜5時

★巖谷國士 at ギャルリー宮脇の紹介ページ★


日本初!クレアシオン・フランシュ             
ジェラール・サンドレイ『率直な創造』
2013年9月21日(土)〜10月13日(日)
1PM〜7PM 会期中月のみ休(月祝の場合は翌日)

ジェラール・サンドレイ, Gerard Sendrey ジェラール・サンドレイ, Gerard Sendrey ジェラール・サンドレイ, Gerard Sendrey                                
 ジェラール・サンドレイGerard Sendrey)は1928年フランス、ボルドー生まれ。自称「非」芸術家にして真に自由なる創造者。何にも束縛されない個人の率直な創作を実践し、創造についての革新的アイデア<クレアシオン・フランシュ>(Creation Franche)を提唱した。デュビュッフェ亡き後のアヴァンギャルドの最もマージナルな領域を渉猟する牽引者として重要な存在である。その創作は過去との発展的決別を基盤に据えている。自動記述のようにして描かれる多くのデッサンでは、作者の内奥に湧き出し流れ、ついには外部に噴出するマグマのような不定の形象、あるいは身体の振動と痙攣によって繰り出される蜘蛛の糸のような線条から、驚くべき幻視のイマージュが立ち現れる。そこには何かを描こうという目的はなく、いかにしてイマージュの生起する「場」を創造するかという探求の道程がある。本展は欧米では著名なジェラール・サンドレイの日本初個展。多種多様な作品120点以上を集め紹介。 展覧会ちらし⇒ ⇒ ⇒ 表面を見る 裏面を見る



山中現<木版画と油絵>展
2013年5月18日(土)〜6月16日(日)
1PM〜7PM 会期中月のみ休

山中現 山中現 山中現

図版左より「五つのかたち」油絵65x53cm、「遥か」木版48x36cm、「かたちの入口」油絵65x50cm                                

 山中現(やまなかげん)は1954年福島県喜多方市生まれ。東京芸大油画科在学中に小野忠重の集中講義で木版画に出合い、職人の道具と手仕事の伝統が人々の生活や自然と深くつながるその世界に強く惹かれ、同大学院では野田哲也教室で木版画を専攻した。以来30年にわたり、山中現は時間と存在のシンボルである<かたち>がコンポジションされた空間性の強い表現によって独自の絵画世界を追求している。詩人・串田孫一、松永伍一との詩画集の仕事もある。
 2010年には福島県立美術館で集大成的個展「山中現・夢の領域」を開催。同館ほか喜多方市美術館、東京国立近代美術館、東京芸大資料館、福岡市美術館、パリ国立図書館、クリーヴランド美術館、大英博物館などに作品が収蔵されている。
 本展は山中現の6年振りの京都での個展で木版画と油絵の近作・新作50点を一堂に発表する。


展覧会ちらし→ 表面を見る 裏面を見る
表面に記念画集の刊行情報を案内しています(通販可)
塔本シスコ生誕100年記念展
シスコとみんなで花の宴
傑出した日本の素朴画家が描く生命讃歌
2013年3月15日(金)〜4月21日(日)
1PM〜7PM 会期中月のみ休

 山下清、丸木スマに比肩する日本の素朴絵画の傑出した画家、塔本シスコ(1913年熊本生〜2005年大阪没)。波乱に満ちた前半生をのりこえ、50歳を過ぎてから絵を描きはじめた塔本シスコは、芸術好きの家族に囲まれ、身近にある小さな自然を愛し、あるがままに日常を生きることによって、92歳で亡くなるまでの約40年間に膨大な数の絵を描き続けました。ヴァン・ゴッホのように激しい筆触で、アンリ・ルソーのように画面いっぱいに濃密に描き込んだ塔本シスコ作品には、生命のエネルギーが爆発しています。
 鑑賞者は、画家の人生のすべての時間が溶け合ったような不思議な絵の前で、塔本シスコの生きた長い時間と世界を体験することができるでしょう。塔本シスコが描き続けた「ほんとうの絵」。それは、いつまでも生き続ける画家の「生」そのものです。
 本展では、塔本シスコが愛した花々を題材にした作品を多数展覧し、会場は花の宴さながらとなります。春暖の一日に是非お出かけ下さい。100号大作から小品まで油絵を中心に40点以上出品。



★2013年 3月24日に対談イベントを催しました ★
谷川晃一 × 塔本賢一
シスコの描くほんとうの絵

  伊豆のアトリエで木々や草花、野鳥や動物に囲まれて創作活動を行っている画家の
  谷川晃一氏は美術評論やユニークな絵本も発表し、幅広い層に知られています。
  シスコの長男でやはり画家の塔本賢一氏とシスコの芸術について語り合って
  いただきました。

展覧会ちらしを見る
郵便配達夫シュヴァルの理想宮 完成百年記念展
夢の実現するところ
2012年12月1日(土)〜2013年2月23日(土)
新年は1月15日・火曜日より開廊致します。1PM〜7PM 1〜2月は日月休

 フランスはリヨン南方のローヌ・アルプ山間部の小さな村に、郵便配達が夜な夜な石を積み上げセメントで固めて造り上げた不思議な城がある。それは単なるイメージの増殖ではない。奇人の妄執でもない。情熱とか快楽といったものも感じられない。そこには何の可笑しみもない。知的でもないし、悪戯とも狂気とも呼べそうにない。
 それは何者かの「夢の塊」のような場所である。
 その完成から百年を記念し、本展ではフランス人作家を中心に現代ヨーロッパの夢想画家たちが、独学芸術の最も過激な実例であるシュヴァルの理想宮をオマージュする。参加作家たち自身が、シュヴァルの、“原” 芸術家としての正統な子孫である。

 本展は、現地フランスの「理想宮」からも公認されたヨーロッパ圏外で最大唯一無二の特別企画。

クロヴィス・プレヴォー、マリオ・デル・クルトの写真に、22名の自由意志創作者たちが
シュヴァルの「創造の自由」を賞賛し、オマージュを捧げる。本展のための描き下ろし
新作を含む約120点の作品を展覧。
<出品作家>
Michel Nedjar, Ody Saban, Jean-Pierre Nadau, Gerard Sendrey, Claudine Goux, Yvonne Robert,
Danielle Jacqui, Ruzena, Pierre Silvin, Edmond Engel, Kurt Haas, Francois Burland, Loren,
Gene Mann, Ignacio Carles-Tolra, Gilles Manero, Claudine Asper, ATEK, Caroline Sury,
Danielle Le Bricquir, Evelyne Postic, Daredo, Mario Del Curto and Clovis Prevost.


★2012年 12月15日に特別イベントを催しました ★
いしいしんじその場小説
郵便配達夫シュヴァルに捧げる


 2012年11月に『その場小説』(幻冬舎)が単行本化された
 いしいしんじ氏が、ギャルリー宮脇で4回目の
 「その場小説」を催しました。

☆ ☆ ☆

 当日、いしいしんじ氏の寄稿も収載したシュヴァルの
 理想宮に捧げる文集『夢の実現するところ』の
 刊行日となり、いしいしいんじ氏による
 朗読も行われました。

     
深い闇の奥底
フランソワ・ビュルラン
     Francois Burland 1958〜 Switzerland

2012年10月26日(金)〜11月18日(日) 1PM〜7PM 月休廊

欧米で著名なスイス在住のヴィジョナリーアーティスト、フランソワ・ビュルランの当画廊で3年振り2回目の個展。作者の創造の中でも、もっともエニグマティックなシリーズを展覧。深い闇とはいったい何なのか?その奥底は何処にあるのか?

ビュルランの作品を目の前にしていると、闇に深く心と身体を溶かし込んだときのしずかな心地よさを思い出す。その安らかさは、恐怖の一歩さき、狂気の手前にある、一瞬の心地よさで、あまり深く立ち入ってはならないからこそ、惹かれる。
   (特集パンフレット『螺旋階段』第93号掲載、朝吹真理子寄稿文より)

<<記念イベント/終了いたしました>>
対談『深い闇の奥底』鈴木創士(フランス文学者)× 朝吹真理子(小説家)
2012年11月4日(日) 午後3時〜 参加費¥1,000-
(予約制・定員50名・先着順)




              目の中の目
                  メノナカノメ
                       西村一成個展

                   2012年9月28日(金)〜10月14日(日)                                    1PM〜7PM 月曜のみ休廊


     

   メノナカノメノナカノメノナカノメノナカノ・・・・
        目の中で夢幻が無限に反射するイッセイニシムラの快画世界


1978年生まれの画家・西村一成(いっせい)の新作発表。 少年期から美術と音楽の才に長けた作者は2000年頃より独学でデッサンと油絵の創作に没頭。池田満寿夫記念芸術賞佳作、青木繁記念大賞展入選、シェル美術賞入選(以上07年)、リキテックスビエンナーレ入選(08年)、トーキョーワンダーウォール公募入選(09年)など現代絵画の新星として注目を集めてきた。日々刻々と見つめる
自己の切迫した生の深淵を天性のアーティスティックなセンスでキャンバスに投影させる希有なセルフトート・アーティスト。
ギャルリー宮脇で二回目の個展。

銅の鏡〜映し出された魂

ジャクリーヌ・オイエ銅版画展
2012年6月15日(金)〜7月15日(日)
1PM〜7PM 月曜のみ休廊

 スイス、ローザンヌの知られざる銅版画家ジャクリーヌ・オイエJacqueline Oyex 1931〜2006)の逸品40点を本邦初紹介。

 ジャクリーヌ・オイエは、裕福な家庭に育ちアカデミズムの修練を積んだ画家/版画家であった。しかし生涯にわたり特異なパーソナリティを示し、言葉少なく自己の感性の中に閉じこもった。そして銅版画制作が自己発露の重要の手段となった。精神の正常と異常の境界(そういう区分があるならば)をさまよいつつ、自己の内面世界を銅版画特有の表現で写すことに専心した。最初の衝動を失うまいと線描はいきなり版上に引かれた。過度に深い腐蝕の効果と不完全な腐蝕止めの作用によってイメージは際立ち、より美しくなる。銅版は精神を写す鏡。ジャクリーヌ・オイエの芸術における「美」はアイデンティティー欠如の表象である。それは「熟練した版画技術」と「生のままの芸術」が結びついた興味深い論点を孕んでいる。



記念レクチャー 6月17日(日) 3PM〜
『ジャクリーヌ・オイエの版画芸術』
オープニングスピーチ/ダニエル・アヴィオラ
(前スイス総領事・立命館大学客員教授)
レクチャー/セバスティアン・ディズラン
(ローザンヌ州立美術館 研究員)
 参加無料、要申し込み、定員50名、仏和逐次通訳付き
  告知ちらしを見る

特別講義 7月8日(日) 4PM〜『狂気?』
講師/鈴木創士
(フランス文学者・作家・音楽ユニットEP-4メンバー)
 聴講料500円、要申し込み、定員50名
  告知ちらしを見る

特集パンフレット『螺旋階段』第92号
特別寄稿/ミシェル・テヴォー
(美術史家・哲学者)
 A4判4頁モノクロ図版11点掲載  会期中無料送付
  表紙を見る


坂爪厚生版画展
    新作&秀作選

2012年5月19日(土)〜6月3日(日)
1PM〜7PM 月曜のみ休廊
※初日夕刻6時〜作者を囲んでレセプションあり

ヒトを造る情報ネットの暗喩  

日本を代表する京都のメゾチント作家・坂爪厚生
新作発表+旧作秀作を併せて30点以上出品。


  ビロードのような黒の中に形象を白く浮かび上がらせる直刻凹版の技法メゾチントの代表的作家として70年代から活躍する坂爪厚生。その作品は常に現代社会に生きる人間の表面と内実との乖離を表すことを意図してきた。新作の網目状の人物像は、内実が置き去りにされ、表層に現出するデジタル化されたデータ情報網によって造られる仮想社会を暗喩している。


 1941年群馬県生まれ。1974年の日動版画グランプリ展グランプリ受賞、ニューハンプシャー国際グラフィック展審査員賞受賞以来、国内美術館企画、国際コンクール出品多数。2010年より日本版画協会理事を務める。

新作特集ページ

ART KYOTO 2012 出展
京都国際会館アネックスホール/ブースNo.4
2012年4月27日・28日・29日
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各々に異種の生命の原初的形態を想わせるような造形表現を創る国内外新旧の3名の女性作家で構成。
玉本奈々の布のオブジェを用いたレリーフ状絵画、ジーン・マンの転写技法による蛇腹絵本、
そしてチェコ・アール・ブリュットの巨匠アンナ・ゼマーンコヴァーの作品を出品。
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《無垢者の芸術》
ハンス・クルージー日本初個展
2012218日(土)〜325日(日) 1PM〜7PM 月のみ休
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Hans Krusi (1920〜1995)


20世紀後半のスイス最大のアール・ブリュット作家の本邦初紹介。路上花売りからスイス東部の名物画家に出世し、アール・ブリュットの著名作家になった異色の経歴。無垢者ゆえに完全なる自由を獲得した驚愕の創造性を展観。60点以上展示。個展・頒布の大変希少な機会でありファン、コレクター必見!

文化の影響をほとんど受けない無垢者の芸術、いわば子供の絵のような創作が、郷土文化を代表するイコンとして受容されている点でも、ハンス・クルージーはアール・ブリュットを超えた特異な存在である。8頁カラー記念パンフレットを会場にて無料配布。評伝と発見者インタビューなど収載。


※ 会場にてドキュメンタリーフィルム随時上映。(ドイツ語)

← 初の貴重な日本語刊行物です。


<<記念イベント/終了いたしました>>
いしいしんじの『その場小説
ハンス・クルージーの世界の傍で』
2月25日 午後3時開演(終演5時過ぎ)
<要予約>定員あり/申込み先着順 参加費500円

ハンス・クルージーの絵と音の世界に小説家いしいしんじが遊ぶ!
当日は即興小説『花』が書き下ろされ、つづいてクルージーの録音した超レアなLP音源を聴きつつ、
飛び入りゲストの朝吹真理子との対談が行われました。

Contemplating Life, Nana Tamamoto Works 2010/2011
玉本奈々新作展《生への思念》
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20111119日(土)〜1211日(日) 1PM〜7PM 月のみ休
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 神秘的な光沢と深度を醸し出すレリーフ状の絵画は、布や羊毛、ガーゼ、びっしりと縫い込まれたミシン糸などの繊維素材を併せて用いたアッサンブラージュ。毒々しい色彩と細胞増殖を思わせる触覚的造形に「生」を見つめる作家の思念が直情的に表されている。
 一年前にギャルリー宮脇で開催した《異貌の現代美術展〜ファンタスマゴリア》にも参加した気鋭にして異色の作家の京都初個展。

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 1976年生まれ。VOCA展「現代美術の展望」(上野の森美術館/2004)、富山現代作家シリーズ「時の中で」(富山県立近代美術館/2007)出品、また「玉本奈々の世界展」を国の有形文化財富山豪農の館(2004)や世界遺産五箇山相倉合掌造り(2007)で開催しインスタレーション作品なども発表している。
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                  「風体」(2011年制作)ミクストメディア 91×73cm →

※ 6頁全カラー21図版掲載の記念パンフレット『螺旋階段』第90号を刊行致しました。→表紙を見る
2大特別寄稿/小吹隆文「自分に忠実に生きる人」、エドワード・M・ゴメズ「玉本奈々〜命の力をとらえる」

玉本奈々展に寄せて/スペシャル対談 【終了致しました】
「生を思念するアート」坂上義太郎 × 小吹隆文
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坂上義太郎/1946年生まれ、1987年伊丹市立美術館創設学芸員、2006年同館館長、現在神戸市灘区のBBプラザ美術館顧問。
小吹隆文/1964年生まれ、美術ライター、情報誌のアート担当を経て2005年よりフリーランス、新聞、雑誌、ウェブに執筆。
関西アートシーンに精通し、玉本奈々の創作にも長らく注目してきたお二人による自由対談です。

11月19日 午後4時半開演 参加費500円<要予約>定員50名/申し込み先着順

お申し込みはギャルリー宮脇まで、氏名/電話番号/参加人数をお知らせ下さい。
TEL 075-231-2321 FAX-2322


尚、当日午後6時からはささやかなレセプションパーティを催します。

☆ 小説家いしいしんじLmaga.jp今秋の展覧会ベスト予測 選定企画!

Gene Mann
ジーン・マン新作展
夜明けに吹く風
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2011年10月15日(土)〜11月6日(日)
 1PM〜7PM 月のみ休
但し10月15日と28日は6PM迄(予約制イベント開催)
※ 初日の前夜10月14日夕刻6時〜作者来日レセプション
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彼女の創造的霊感はいつも薄明の刻にやってくる。無作為なリズムを打ちながら素手でキャンバスを塗り込める。衝動的で感情的で意表を突く表現性。線は猛烈に波打ち絵肌はレリーフ状に起伏する。やがてそこに魔法のように、ザワザワと蠢く群像が立ち現れる。LP盤ペインティングや蛇腹ブック絵本など様々な形態の作品も出品。日本/京都に於ける3年振り4度目の新作展。
  ↑ 30x30cmの小タブロー45点による壁面展示が出現予定(立っているのは作者)
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  作者は今春、ピカソやエルンストの扱いで知られるジュネーブの名門画商ギャルリィ・クルジエで個展を開催、
  アート・バーゼルにも出品し、セルフトート・アーティスト=アウトサイダー・アートの流れから
  現代絵画の超新星として注目を集めた。 既存のホームページへ

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NEW!<2011特集ページ開設>
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スペシャルイベント 終了いたしました

いしいしんじ 朝吹真理子
10月15日 午後7時開演/スペシャル対談
いしいしんじ× 朝吹真理子
「朝の息吹をかわしあう」
気鋭の小説家いしいしんじと今春の芥川賞受賞作家・朝吹
真理子が聴衆をジーン・マンの作品世界へと誘います。

参加費1,000円<要予約>定員50名/申し込み先着順

10月28日 午後7時開演/小説創作ライブ
いしいしんじその場小説
「ジーン・マンに捧げる」
いしいしんじがその場の空気や人々と呼応しながら即興的
に言葉を書き下ろし読み上げてゆく小説創作のライブ。

参加費500円<要予約>定員50名/申し込み先着順

※ 本展のパンフレット『螺旋階段』第89号にいしいしんじ氏から寄せられた特別寄稿の全文を<こちら>でお読みいただけます

当画廊監修企画
フランソワ・ビュルラン/深い闇の奥底
10月8日〜23日 at 游文舎ギャラリー, 新潟県柏崎市
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ヨーロッパを代表するヴィジョナリー・アーティストの本邦初公開作品ばかりで構成。小規模ながら3×2m長の大作を中心に構成。別室にて「庭(Jardin)」シリーズ数点も併設致しました。
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<案内チラシを見る>


Ignacio Carles-Tolra
イグナシオ・カルレス=トルラ
画業50周年/日本初個展
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2011年9月10日(土)〜10月2日(日) 1PM〜7PM 月のみ休

 子供のような心を持ち続け、自由な線と色彩で天真爛漫な絵を描くスペインの老画家(1928年生まれ)。しかしその絵の内容は毒とユーモアに満ちている。アール・ブリュットでもなければ知的で洗練された現代美術でもない著名アウトサイダー・アーティスト/ヌーヴ・アンヴァンシオンの代表的作家。40点以上展示。

巨匠ジャン・デュビュッフェが絶賛
イグナシオ・カルレス=トルラの芸術はラディカルで非常に純粋である。強烈に印象的な、ある種の激烈な衝動に満ちている。それはめったに出会うことのない、極めて高度の“精神の過熱”へと誘うかのような芸術である。 (J.デュビュッフェ 1981年)



※ 6頁カラーパンフレット『螺旋階段』第88号を刊行致しました。 →表紙画像 

解説「イグナシオ・カルレス=トルラとアール・ブリュットのアネックス・コレクション」掲載。

 絵画=内面の表皮
 西村一成個展 Issei Nishimura
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  2011年6月23日(木)〜7月10日(日) 1PM〜7PM 月のみ休

  ススムトコロニエガアッテ
  サガルトコロニモエガアッテ
  ドコヘニゲテモエニオワレ
  ボクハタブンエニクイツブサレルダロウ
  イタルトコロニエガアッテ
  ドコヘニゲテモツイテクル
 (西村一成 2011年5月6日の詩)


 1978年生まれの画家・西村一成(いっせい)の画廊初個展で約40点展覧。 少年期から美術と音楽の才に長けた作者は2000年頃よりで独学でデッサン
と油絵の創作に没頭。池田満寿夫記念芸術賞佳作、青木繁記念大賞展入選、
シェル美術賞入選(以上07年)、リキテックスビエンナーレ入選(08年)、
トーキョーワンダーウォール公募入選(09年)など現代絵画の新星として
注目を集めてきた。自己が日々刻々と見つめる自己の切迫した生の深淵を、
天性のアーティスティックなセンスでキャンバスに投影させる希有なセルフ
トート・アーティスト。


  ↑ 無題(2010年11月4日制作)110x61cm 厚紙, 綿布, アクリル, パステル, オイル

Blue Mud Bay
ヨルク・シュマイサー新作展
   2011年5月20日(金)〜6月12日(日) 1PM〜7PM 月のみ休

 卓越した素描力と製版技術で世界的に知られる銅版画家ヨルク・シュマイサー(1942-ドイツ、現在オーストラリア在住)。プリンストン大学特別派遣研究員をはじめ、エルサレム、ベニス、中国杭州などの招待芸術家制度、中東、チベット奥地のラダック、アンコール遺跡、南極の学術プログラムなどに参加し、地球規模の旅行に取材した創作を展開してきた。昨年、オーストラリアのアボリジニと非アボリジニの精鋭芸術家たちが集い創作するプロジェクトに参加するため、豪北部、東アーネムランドのイルカラの地を訪れた。そこは豊かな自然と四万年に遡るアボリジニの文化的風土が息づく場所である。本展は主にその旅からの新作を発表。風景や物の緻細な写生と夢幻的な形象がコラージュのように融合する作品は、天地悠久の大自然の森羅万象を写すと同時に、作者自身の内なる心の旅の道程を表象している。約20点発表。既存の展示室へ

● 作家来日/初日夕刻6時よりレセプション


                     “Yilpara Shore” 銅版画+水彩/鉛筆 85.5x59cm 2011年 →


ヨルク・シュマイサー個展 2011【第二部】新作展と同時開催
ヨルク・シュマイサーの木版画
『古事記』『日本の伝説』より


 40年以上も前、日本の芸術とその精神性に深い関心を寄せ、京都市立芸術大学に留学したヨルク・シュマイサー。英訳版の「古事記」を読みながら銅版の上に本文の覚え書きや下絵を描く一方で、博物館でみた日本の考古発掘物をどんどんスケッチしていった。それは、「古事記」の成立以前また成立当時の日本人の造形世界を少しでも知るためであった。これらの要素をできるだけ取り入れるようにしたというシュマイサーの初期木版画を一堂に展観する貴重な機会。約20点出品予定。 第一回国際木版画会議参加(6月7日〜12日、京都/淡路)

←「オロチと対決するスサノオ」木版画 ed.50 33x24cm 1970年

※ 作家の池澤夏樹氏による特別寄稿を掲載した記念パンフレット『螺旋階段』第87号を刊行致しました。

当画廊協力企画
カタルーニャの夢
ジョアン・ミロ版画展
4月23日〜6月12日 at 相生森林美術館, 徳島県那賀郡
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太陽、または星と女と鳥・・・ミロが歌う生命の讃歌。三部構成の展示のうちの一つ、
ミロ自身の詩とリトグラフによる版画集『黄金の羽を持つトカゲ』の展覧に協力しました。
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<案内チラシを見る>


現代木版画の巨匠  黒崎彰『近江八景』完成記念展

 2011年4月9日(土)〜4月24日(日) 1PM〜7PM 月のみ休

 黒崎彰(1937年〜京都市在住)は1960年代後半、現代作品に浮世絵版画の伝統を蘇らせ革新的な表現を拓いた。以後40年にわたり版画界を牽引し、今なお新しい表現に挑み続けている。このたび、自身の出自に縁があり、また広重、深水の系譜にあって木版画の重要な主題であるシリーズ「近江八景」を完成。木版画史に二十一世紀の新たな轍が刻まれる。

 作者のことば:近江の出自である両親の関係で、私は小学生と高校生の時期、都合5年を琵琶湖のそばで暮らしました。ほかをほとんど神戸、京都で過ごしたものの、出自や族縁を考えると近江は私の心のふるさとでもあります。名作も多いこの有名な画題に挑戦することを長年夢みてきましたが、決心がつかず時が流れました。崖の上から飛び込む気分で制作をはじめたものです。

←近江八景の内「三井晩鐘」

● 初日夕刻PM5時より作者を囲んでレセプションあり

◆記念講演◆黒崎彰・近江八景を語る 満員御礼/終了いたしました
日時:2011年4月17日(日)午後2時開演(1時間半ほど)
会場:ギャルリー宮脇 3F展示室
料金:無料/要予約(定員50名・申し込み先着順)


黒崎彰自身による特別寄稿を掲載したパンフレット『螺旋階段』第86号を刊行致しました。

日本を代表する素朴画家  塔本シスコ七回忌展

2011年2月18日(金)〜3月20日(日) 1PM〜7PM 月のみ休

 塔本シスコは1913年熊本生まれ。貧しい思春期の農業労働、二十歳で結婚、三十歳で子供たちを授かり育て、四十代後半で夫を亡くし自らも体調を崩し、人生もようやく一段落した五十歳頃になって長く封印していた絵を描く喜びを取り戻した。それから2005年に亡くなるまでの四十年余り創作三昧の後半生を送った。日本では希少な質と量を伴った素朴絵画として評価の高い作品は世田谷美術館に収蔵。没後も「快走老人録」(06年近江八幡NO-MA)「ピクニックあるいは回遊」(08年熊本市現美)「マイ・アートフル・ライフ」(08-09年川口市立アートG/京都造形芸大Gオーブ)「三人のグランドマ展」(09年諏訪ハーモ美)などに出品し、今ますます注目が高まっている。油絵を中心に約50点展覧。

◆記念イベント◆ 満員御礼/終了いたしました
いしいしんじのその場小説・塔本シスコに捧げる

日時:2011年3月6日(日)午後3時開演
会場:ギャルリー宮脇 3F展示室
料金:500円/要予約(定員50名・先着順)
申し込み:ギャルリー宮脇まで
     info@galerie-miyawaki.com
     TEL 075-231-2321 FAX-2322
     〒604-0915 京都市中京区寺町通二条上ル

「その場小説」とは・・・小説家いしいしんじがマイクを左手、鉛筆を右手に原稿用紙に向かい、その場の空気や人々と呼応しながら即興的に言葉を書き下ろし読み上げてゆくという、前代未聞の小説創作のライブ。

いしいしんじ氏による特別寄稿『「ほんとうの時間」を生きる 』を掲載したパンフレット『螺旋階段』第85号を刊行致しました。

ファンタスマゴリア/異貌の現代美術展
特集ページ
2010年1119日(金)〜1219日(日) 1PM〜7PM 月曜のみ休廊

<初日夕刻6pm〜ルジェナ以外の4作家を迎えてレセプションあり>

 アンティエ・グメルス     濱口直巳         山際マリ          ルジェナ       玉本奈々


Fantasmagorie (ファンタスマゴリア)= 次々と去来する幻影
創造行為によって自己の内面世界を流露させる5名の女性アーティストたち。
果たして彼女たちの<魔幻灯劇>が私たちの眼前に映し出すものは何か…。
シュルレアリスム、アール・ブリュットを得意とするギャルリー宮脇が、
アートのマージナルな領域に「自由をもとめる目」を探索する
新機軸の現代美術展。全40点以上出品。
ファンタスマゴリア

シリーズ化を予定している本展の第一回開催を記念し、
特集パンフレット『螺旋階段』第84号を刊行致しました。
フランス文学者でシュルレアリスム研究の第一人者・巖谷國士氏による
特別寄稿「アール・ブリュットをひらく ファンタスマゴリアのために」収載。
各作家作品図版4点とプロフィールを付した、A4判オールカラー6頁の特別版です。

ファンタスマゴリア特集ホームページで展覧会趣旨および出品作家を紹介しています。

刻線の魔術/色彩の交響 エクトール・ソニエ銅版画展
2010年10月23日(土)〜11月7日(日)  1PM〜7PM 月曜休


鏡と音楽が、メタモルフォーゼの中で一つになる。
メタモルフォーゼの数だけ創意があり無数の変奏曲がある。
こうしてエクトール・ソニエの作品は構成され、展開し、
その一点一点が楽譜のように読まれるのだ。
                ロベール・マルトー(詩人)


パリの伝説的版画工房 S.W.ヘイターのアトリエ17を継ぐ
世界最高峰のビュラン作家による一版多色刷り銅版画展。
約50点展示。

<目隠しされたロレンツォ・ロットが語る12の作り話>
北川 健次 新作展
2010年9月23日(木祝)〜10月17日(日)
1PM〜7PM 月曜休廊



永遠に修復されない不在を抱えこむこと。        
 ユートピアの物語が紡ぎ出されるためには、
                 欠落と匿名性が必要だ。

 四方田犬彦「北川健次のために」より

コラージュ、オブジェ、写真により異色美術家の多面性を展観。
その作品群の不可思議な魔力によって、
ギャルリー宮脇の空間が<幻影の住処>へと変容する。

オーストラリアの人気画家/大型画集『Argy-Bargy』出版記念特別企画展
ディーン・ボーエンの愉快な鳥たち
2010年6月25日(金)〜7月18日(日)
1PM〜7PM 月曜のみ休廊

   左:「てんとう虫と千鳥」45x53cm 油彩 2010                      右:「休息するオウム」48x68cm 石版 2008       


ユーモアあふれる想像力で夢の世界を紡ぐ画家ディーン・ボーエン。愉快な動物たちや交通渋滞の都市風景など、ボーエンの描く作品には一貫して「いのちのある場所」というテーマが流れている。本展はボーエンの特徴的な主題である「鳥」の作品を集め、油絵、版画、水彩、モノタイプ合計40点以上とアニメーションの上映による展覧会。小さな翼をたずさえ丸々と太った鳥たちが、空に、闇に、ぽっかりとたたずむ不思議で面白いその姿は、まるでどこかの惑星か、宇宙全体のようなカタチだ・・・


←←←大型画集『Argy-Bargy』 絵画、版画、彫刻など200点収載 活動20年を総括
する本格的画集 32×31cm 230頁 ハードカバー 豪マクミラン社刊 英語版  ¥13,000- (2014年秋現在) 当画廊で販売しております。送料無料(郵便払込にて後払い)

Ben Shahn, 24 Lithographs for                
    "For the Sake of a Single Verse..."           
     from The Notebooks of Malte Laurids Brigge

               リルケ『マルテの手記』出版百周年記念企画
ベン・シャーン版画展
2010年5月21日(金)〜6月13日(日)
1PM〜7PM 月曜のみ休廊

詩はほんとうは経験なのだ. (リルケ『マルテの手記より』)

20世紀アメリカを代表する画家の一人、ベン・シャーンBen Shahn 1898年リトアニア生まれ〜1969年アメリカ没). 社会派リアリズムの画家として活躍し、人種的・思想的偏見によって不当に処刑されたサッコとヴァンゼッティのシーリズや、第五福竜丸の水爆実験被爆をテーマにしたシリーズなどで知られる. ベン・シャーンはこうした主題を社会的な理論であらわすのではなく、画家の内なる眼でとらえた主観的リアリズムによって描写した. 見えている事物を写すのではなく、「視る」ことによって対象を自己の内部に同化するような「まなざし」を探求したのだ。それはシャーンが若い頃に出会った一冊の小説、リルケの『マルテの手記』への深い共感によって生涯持ち続けた芸術観であった。七十歳でその生涯を閉じる前年、一生かかって集めた生の意味を24点の石版画に映し込めたのが本展で全作展示する名作版画集『マルテの手記<一行の詩のためには…>』(1968年作)である. 特集パンフレット『螺旋階段』第83号発行.(上画像:表紙 4頁 24モノクロ図版及び解説と引用詩全文掲載)